研究課題/領域番号 |
20K05999
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39020:作物生産科学関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
辻 渉 鳥取大学, 農学部, 准教授 (60423258)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ストレスメモリ / Drought hardening / Transgenerational memory / 乾燥ストレス / 過湿ストレス / 食用作物 / 乾燥地 / エピジェネティクス / Stress memory / ストレス耐性種子 / 適正栽培技術 / ストレスメモリー / ストレス耐性種子生産 |
研究開始時の研究の概要 |
近年モデル植物を中心にStress memory,すなわち「事前に経験したストレスに対する馴化的応答」に関する研究が進展している.しかし,その多くはモデル植物を対象とした分子生物学的な研究であり,作物種や乾燥ストレスを対象にした例はほとんどない.本研究では,Stress memoryの栽培学的応用として「作物の幼苗に耐乾性を付与するDrought hardening」と育種学的応用として「次世代の種子に耐乾性を付与するTransgenerational drought memory」に着目し,これらを栽培技術や育種技術として昇華させるとともに,その作用機構や関連遺伝子を解明することを目指す.
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研究成果の概要 |
植物が有するエピジェネティックなストレスメモリを,乾燥ストレス下における作物生産に応用することを目的に,Drought hardening(DH,事前にストレスに曝されると耐乾性が高まる現象)とTransgenerational drought memory(TDM,親世代が受けたストレスのメモリが後代に伝わり,耐乾性が強化される現象)に関する研究を行った.その結果,DHによってトウモロコシの耐乾性が向上すること,TDMによって他殖性のトウモロコシ,自殖性のソルガムのいずれにおいても子世代の耐乾性が向上することが明らかになった.さらにソルガムでは孫世代での耐乾性やクロスストレス耐性も向上した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地球温暖化に伴う気候変動によって増大する乾燥や過湿のストレス環境下において,増加する世界人口を扶養する食糧生産技術を構築することは喫緊の課題である.本研究では,DNAの塩基配列の変化を伴わないエピジェネティックなストレスメモリを活用し,食用作物における新規の栽培技術もしくはストレス耐性種子生産技術の開発に取り組んだ.その結果,トウモロコシとソルガムでは,ストレスメモリによって当代だけではなく,次世代以降も耐乾性が向上することが明らかになった.これは塩や過湿などの他のストレスでも同様であったが,その効果は顕著ではなかった.今後,これらの効果を最大化する手法を開発すれば実用技術になると考えられる.
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