研究課題/領域番号 |
20K06001
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39020:作物生産科学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
荒木 卓哉 愛媛大学, 農学研究科, 教授 (10363326)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | ハダカムギ / 硝子率 / 晩播 / 播種量 / 収量 / 分げつ / 子実含水率 / 茎数 / 開花期間 / 晩播き / 窒素分施 / 硝子質粒 / 胚乳細胞 / 晩期播種 / 15N |
研究開始時の研究の概要 |
ハダカムギは需要が高まっている中,降雨や作付面積の拡大に伴い播種時期を遅くせざるを得ない「晩期播種」で栽培した場合,初期生育の抑制や栄養成長期の短縮に伴い収量が減少する.また,品質評価項目の一つである硝子率は値が高いと搗精に時間を要し,コスト増となり,硝子質程度の均一程度にばらつきがあると,搗精にもばらつきがみられる.本研究では,出穂後の子実成長を穂内の子実着生位置ごとに形態学的および生理生態学的手法により,また,出穂後の気象要素との硝子質粒発生との関係を解析することで,硝子質粒発生の機作を明らかにするとともに,窒素分施体系の改善に着目して,晩期播種における高収量高品質栽培技術を提案する.
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研究成果の概要 |
茎数が多い標播区では,T3以降に出現するの茎の乾物割合が31%と大きくなった.茎数が少ない晩播11g区ではMSおよび初期に発生するT1およびT2の割合が70%を占め,他処理区より大きくなった.個体あたりの穂数は,有意な差が認められたが,収量への影響はみられなかった.1原麦の硝子率は分げつ間において違いが認められ, 高位節分げつになるほど高くなった.また, 分げつ間の開花日はマンネンボシ慣行区において最大で12日の違いがあり,高位節になるほど遅くなった.タンパク質の蓄積程度とそれに起因する空隙量の違いにより粉状質胚乳と硝子質胚乳の2つが形成されることが明らかとなった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題では,硝子質粒発生のメカニズムについて登熟期の子実乾燥に伴い含水率が低下した時に雨による吸水が硝子質程度を低くしていることを初めて明らかにした.硝子質粒発生に関するこれまでの研究では,子実タンパク質の蓄積が要因であると報告されていたが,子実乾燥後の吸水が硝子率とより密接な関係があることを見出したことは学術的意義が大きい.また,この結果に基づいて,登熟期以降の天候に応じた子実への吸水を促す栽培技術へと展開できることならびに遅まき栽培における高収量栽培技術への基本的知見を得られたことは社会的意義が大きい.
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