研究課題/領域番号 |
20K06002
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39020:作物生産科学関連
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研究機関 | 石川県立大学 |
研究代表者 |
坂本 知昭 石川県立大学, 生物資源環境学部, 准教授 (00345183)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | サツマイモ / スクロース / スクロースリン酸合成酵素 / インベルターゼ / 貯蔵温度 / 塊根 / ショ糖 / 酵素活性 / β-アミラーゼ / ショ糖蓄積 / ショ糖リン酸合成酵素 / 14-3-3 / 貯蔵 / 遊離糖含量 / Iso-Seq / 糖代謝 / 遺伝子発現 |
研究開始時の研究の概要 |
甘味は食用サツマイモ塊根の主要品質で、多くの品種では収穫後の貯蔵中にデンプンが分解されて糖へ作りかえられる「糖化」により糖度が高まり甘味が強くなる。本研究では貯蔵中に糖度を高める効果的な技術の開発や、糖度が高まり易い品種の育成に結びつけることを目指し、貯蔵中のサツマイモ塊根における発現変動遺伝子解析を、次世代シーケンシング技術を活用して網羅的に行う。塊根内の糖含量変化に関係していると考えられる糖代謝関連酵素遺伝子の発現量の変化と組換えタンパク質の酵素活性測定、塊根内の各遊離糖含量および関連酵素活性の消長等を比較することで、貯蔵中の糖代謝に関わる酵素とその機能を明らかにする。
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研究成果の概要 |
低温貯蔵期間中の糖含量の変化を経時的に調査したところ、スクロース含量の増加は認められたが顕著な品種間差は認められなかった。一方、新たに高温処理でもスクロース含量の増加が確認された。低温処理でスクロース含量が1.4倍になるまで約2週間、一般的な貯蔵温度では20日掛かるのに対し、高温処理では12時間しか要しなかった。高温処理塊根内の酵素活性を比較したところ、SPS活性は上昇したのに対しAINV活性は変化が認められなかった。この結果から高温処理と低温処理はともにスクロースが蓄積したが、前者はスクロース合成が促進され、後者ではスクロース分解が抑制されており、全く異なる現象であることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我が国におけるサツマイモ消費の半分は食用で、良食味であることが消費拡大に重要である。サツマイモは甘味の強さが求められるため、塊根の高糖度化は重要な研究テーマである。本研究では塊根を高温処理することでスクロース含量を短時間で増加させられることを示した。この現象はスクロース合成の律速酵素であるスクロースリン酸合成酵素の活性上昇によると考えられたが、短時間で同酵素活性が急上昇する報告事例は他にない。今後、高温によりスクロースリン酸合成酵素遺伝子の発現が誘導される転写調節機構を明らかにし、スクロースが蓄積するメカニズムを解明することで、サツマイモ塊根の迅速糖化技術の開発に結びつけられると考えられる。
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