研究課題/領域番号 |
20K06017
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39030:園芸科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
宮島 郁夫 九州大学, 熱帯農学研究センター, 学術特定研究者 (20182024)
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研究分担者 |
水ノ江 雄輝 九州大学, 農学研究院, 助教 (50759206)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 四倍体 / ロコトトウガラシ / 高温障害 / 自家不和合性 / 自家和合性 / コルヒチン処理 / 花粉発芽 / 果実着色 / 倍数性 / 自家受粉 |
研究開始時の研究の概要 |
南米アンデス原産のロコトトウガラシ(ロコト)はピーマンに似た果形をもつ辛みの強いトウガラシだが,果肉に水分が多く新たな利用が期待できるトウガラシである.ただ,ロコトは自家不和合性を示すためその打破が必要であった.我々はロコト種子をコルヒチン処理することで自家和合性をもつ四倍体の獲得に成功した.しかし,四倍体ロコトの自家受粉での着果率は他家受粉に比べて有意に低かった.本研究では四倍体ロコトの自家受粉にみられる着果不良の要因解明とその打破を目的とした.
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研究成果の概要 |
南米アンデス地方原産のロコトトウガラシ(以下ロコト)は果皮に水分を多く含み,新鮮果実を利用できる新規な辛味トウガラシだが,園芸作物として利用するには本種のもつ自家不和合性の打破が課題となっていた.これに対し,コルヒチン処理により得られた四倍体ロコトは自家和合性を示すことが明らかとなったが,自家受粉での着果率が低いことが新たな課題となっていた. 本研究の結果,ロコトは高温条件下で花粉発芽が抑制されることが明らかになり,このことが自家受粉での着果率が低い主な要因と考えられた.また,適切な温度条件下であれば自家受粉で65%近くの着果率を示す四倍体個体があることから,四倍体ロコトの実用性が示された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により,四倍体ロコトの自家受粉での着果不良の主な要因は,自家不和合性に関するSハプロタイプをヘテロ接合でもつ花粉だけしか受精にかかわれない(受精可能な花粉量が少ない)ためではなく,環境要因(高温)である可能性が示された. ロコトは冷涼な気候を好むので,耕作放棄地の多い我が国の中山間地での栽培に適した作物といえる.さらに,四倍体ロコトの新鮮果実は果皮が厚くジューシーなため,ドレッシングや酢漬け(ピクルス)等の加工用トウガラシとしての利用が期待される.したがって,農産物の6次産業化を目指す地域では今後注目される作物と思われる.
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