研究課題/領域番号 |
20K06032
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39030:園芸科学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
鈴木 俊二 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (60372728)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 醸造用ブドウ / 果粒数制御 / 花数決定メカニズム / 裂果 / 密着果房 / 栽培技術 / トレハロース / サイトカイニン / ブドウ / 花数 / 果粒数 / サイトカイニンオキシダーゼ / 花数決定 / RAMOSA |
研究開始時の研究の概要 |
我々は「花芽分裂組織においてSISTER OF RAMOSA3 がトレハロース代謝系を活性化し、それにより生じたトレハロースがサイトカイニンオキシダーゼ/デヒドロゲナーゼを発現誘導する。この酵素により花芽分裂組織のサイトカイニンが分解され、花芽形成が抑制される」という仮説を提唱している。本研究では「トレハロース代謝系がブドウの花数を決定する」という全く新しい概念を証明するとともに、トレハロース処理による果粒数制御技術を開発する。
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研究成果の概要 |
花序につく花数がブドウ房の密着度を決定する。果皮が薄く、密着果房になりやすい醸造用ブドウ品種では裂果が頻繁に起き、日本のような高温多雨の栽培地でそれが顕著である。本研究では、マイクロシリンジを使用し萌芽直前の芽にトレハロースを注入することで房当たりの果粒数を減少させることに成功した。トレハロースは花序分岐ではなく花形成を制御した。さらに、房当たりの果粒数を決定するにあたりトレハロース代謝とサイトカイニン分解間のクロストークが関与するという新しい知見を見出した。ブドウ栽培にトレハロース注入技術を適応することにより、醸造用ブドウの密着果房を緩和するための省力栽培技術の開発に貢献することであろう。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
萌芽直前のブドウ芽へトレハロースを注入することにより房あたりの果粒数を減らすことに成功した。加えて、「トレハロース代謝により生じたトレハロースがサイトカイニン分解を促進することで花芽分裂が抑制され、房あたりの果粒数が減少する」ことを見出した。今後、トレハロース処理による革新的な果粒数制御技術が確立されれば、これまで我が国では栽培が難しかった密着果房醸造用ブドウ品種、例えば‘ピノ・ノワール’の栽培拡大および果実品質の向上並び日本ワインの品質向上に貢献できるであろう。加えて、密着果房でない品種にも本技術を応用することにより房内の風通しがよくなり、病気の発生を抑えるという副次効果も想定される。
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