研究課題/領域番号 |
20K06037
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39030:園芸科学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
窪田 聡 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (60328705)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | トマト / エチレン / オーキシン / エクスパンシン / 葉面積 / 細胞壁 / 水ポテンシャル / 根域温度 / 生育制御 / アクアポリン / 水透過性 / 地上部生育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では園芸作物として世界的に重要な地位を占め,かつゲノム解析が進んでいるトマトを材料に使用して,1.植物成長に対する気温と根域温度の相互関係の解明,2.根の吸水能力の評価方法の開発と根域温度の影響評価,3.異なる根域温度によって栽培されたトマト苗の根と葉におけるRNA-seq解析,4.根の植物ホルモン合成に対する根域温度の影響評価を行い,これらを総合的に考察し根域温度による植物成長調節メカニズムを解明する。
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研究成果の概要 |
研究結果から得れた根域温度による葉面積の制御メカニズムは以下の通りである。根域温度が高まると,エチレン生合成遺伝子の発現が上昇し,細胞伸長に影響するエクスパンシン遺伝子等の細胞壁構成遺伝子の発現が高まり,根系が伸長する。さらに,アクアポリン遺伝子の発現量も高くなる。根系の伸長とアクアポリン遺伝子の発現増加によって,根系から地上部への水供給能力が高くなる。その結果,根域温度が高いと葉細胞の拡大に必要な水分要求量を十分満たすことができ,葉面積が拡大する。逆に,根域温度が低下すると根の水供給能力が低下し葉面積の拡大が抑えられると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
農業生産では植物の根の部分の温度(根域温度)を調節することは皆無でしたが,最近,根域温度制御により茎葉の成長が大きく異なることが明らかとなりました。そこで,本研究ではトマト苗を用いて,根域温度調節による地上部の成長制御機構の解明に取り組んだところ,根域温度は葉面積にのみ影響し,根域温度が高くなると根の伸長と水吸収を制御する遺伝子の発現が同時に高まり,根から葉への水供給能力が向上しました。葉の拡大に必要な水分が根から葉へ十分に供給された結果,葉面積が大きく変化すると考えられました。気温と根域温度を独立して制御することにより,今までに無い形態をもつ植物を作出できる可能性も示されました。
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