研究課題/領域番号 |
20K06056
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39040:植物保護科学関連
|
研究機関 | 酪農学園大学 |
研究代表者 |
薦田 優香 酪農学園大学, 農食環境学群, 教授 (90716482)
|
研究分担者 |
中原 健二 北海道大学, 農学研究院, 講師 (90315606)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | ダイズ矮化ウイルス / 遺伝子発現 / エンドウ / プロトプラスト / minor CP / 機械的接種法 / ダイズ |
研究開始時の研究の概要 |
ダイズわい化病は、北日本を中心に慢性的にダイズ圃場に発生する病害である。本研究は、原因ウイルスであるダイズ矮化ウイルスが、宿主植物内でどのように増殖していくのかを解析する手法を確立し、ウイルス増殖を分子レベルで解明することを目的としている。また、ダイズ矮化ウイルスが増殖の際に利用するであろう宿主植物側の因子を同定することを目指している。宿主因子の同定は、SbDV抵抗性ダイズ品種の作出への足がかりとなりうる。
|
研究実績の概要 |
本研究では、北日本のダイズ圃場に慢性的に発生するダイズ矮化病の原因とされる、ダイズ矮化ウイルス(Soybean dwarf virus, SbDV)の増殖機構の解明を目指している。SbDVのサブゲノムRNAからは少なくとも、ORF3a、ORF3、ORF4、ORF5の4遺伝子が発現すると考えられている。昨年度までに、各遺伝子下流にルシフェラーゼ遺伝子を付加したSbDVを構築し、各遺伝子の発現量を一細胞レベルで比較できる実験系を構築した。 本年度は、SbDVのORF3とORF4の発現に、翻訳因子eIF4Eが関与するかについて解析を行った。eIF4Eに変異をもつエンドウおよび野生型エンドウから葉肉プロトプラストを単離し、SbDV-ORF3-LUCまたはSbDV-ORF4-LUCをトランスフェクションにより導入した。トランスフェクション後2日間培養することでウイルスを十分に増殖させ、ルシフェラーゼ活性(すなわちORF3またはORF4発現量)を、野生型エンドウとeIF4E変異エンドウとで比較した。その結果、eIF4E変異エンドウ細胞内では、ORF3およびORF4発現量がいずれも有意に低下していることが明らかとなり、eIF4EがSbDVの遺伝子発現に関わる宿主因子である可能性が示唆された。eIF4EはmRNAのキャップに結合し翻訳を促進する因子であるが、SbDVのRNAゲノムおよびサブゲノムはキャップ構造をもたないとされる。キャップ非依存的に遺伝子を発現させるはずのSbDVがeIF4Eをどのように利用するかについて、今後解析を進める予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度までの遅れを取り戻すほどではないものの、本年度はSbDVの増殖に関わる宿主因子候補を見出せたことから、おおむね順調と判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
1)eIF4EとSbDV遺伝子発現とのかかわりについて、異なる試験を用いて検証する 2)RNA合成キットの販売停止によりSbDVの機械接種試験が中断していることから、別の手法を用いる等により、SbDVの逆遺伝学的解析の道筋を立てる
|