研究課題/領域番号 |
20K06060
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39040:植物保護科学関連
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研究機関 | 尚絅大学 |
研究代表者 |
光増 可奈子 尚絅大学, 生活科学部, 助教 (00711839)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | チラミン受容体 / 同定 / 機能解析 / 生体アミン受容体 / 植物寄生性線虫 / 行動制御 / 化合物スクリーニング / 防除 |
研究開始時の研究の概要 |
植物寄生性線虫の感染行動を支配する生体アミン受容体を同定し、その受容体を標的とする新規線虫防除剤の開発を目指す。〈1〉線虫の受容体遺伝子の単離と機能解析、〈2〉線虫の神経系における各受容体の発現解析、及び線虫の感染行動との関連の解析、〈3〉受容体発現培養細胞系を用いた化合物の一次スクリーニング、〈4〉化合物処理による線虫の感染行動の変化を指標とした二次スクリーニングを経てリード化合物を得る、という流れで研究を計画、遂行する。
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研究実績の概要 |
サツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyne incognita)より、これまでに単離したチラミン受容体MiSER-2とは異なる新規のチラミン受容体候補遺伝子を3種類単離した。薬理学的な機能解析を行った結果、MiSER-2とは異なる新たなチラミン受容体とオクトパミン受容体を1つずつ同定することができた。今回新たに同定した受容体は、MiSER-2よりもシグナルの検出値が高く、安定したアッセイ結果が得られていることから、まずこの2種の受容体についてスクリーニング系の構築を進めることとした。同時に、アッセイ系の改善の余地があるMi-SER2、及び微弱なシグナルしか得られない受容体候補については、カイコにおける先行研究を参考にして、更にアッセイ系の改善を試みているところである。これらについても機能解析を進め、種々の化合物を用いた活性物質のスクリーニングを行う。今回機能解析を行った候補遺伝子の中で、互いにスプライシングバリアントであったものについては、それぞれの活性にどのような差異があるかについて解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度、新たに3種類の遺伝子を単離し、これまでに5種類の受容体遺伝子の機能解析を行ったが、いくつかの受容体については現在用いているアッセイ系では機能が検出できなかったため、追加の条件検討が必要となり、研究計画に遅れが生じた。また、詳細な受容体の機能解析に必要な化合物ライブラリーの選定の際に、メーカーの在庫状況の変動によって何度か見直しを行い、出荷日程にも遅れが生じたため、2023年度中のアッセイ計画を次年度に持ち越すことになった。
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今後の研究の推進方策 |
機能が検証できていないチラミン受容体に関して、引き続き条件検討と機能解析を進める。安定発現細胞の作製、最適な細胞株や別種類のシグナル検出系や試薬キットの使用を検討し、改善を図る。また、高い応答が見られた2種類の受容体については、培養細胞系によるハイスループット薬剤スクリーニング系の構築を進める。新たに入手した市販の化合物ライブラリーも含めてスクリーニングを行い、応答が見られた化合物は個体レベルの行動解析に用いる。行動解析の結果を基にした双方向的に化合物スクリーニングにより、個体レベルでも活性を示す化合物を探索する。個体において観察された行動異常が、どの受容体を介したシグナル伝達によって惹起されるかを明らかにする。
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