研究課題/領域番号 |
20K06072
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39050:昆虫科学関連
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
長岡 純治 京都工芸繊維大学, 応用生物学系, 准教授 (00303933)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 蚕糸昆虫利用学 / 昆虫生理生化学 / 精子成熟 / 精漿タンパク質 / オス妊性 / 次世代シークエンス / ノックアウト系統 / カイコガ / 精しょうタンパク質 / ISO-seq / 昆虫精子 / ISO-Seq / プロテオミックス / 妊よう性 / プロテオミックス解析 / ゲノム編集 |
研究開始時の研究の概要 |
チョウ目昆虫・カイコガのオスに起因する妊よう性(メスと交尾して,受精卵が得られること)を深く支配する精しょう(精子以外の精液部分)タンパク質の同定とその機能解析を行う。そのために,①精しょうタンパク質の合成部位であるオス生殖輸管で発現する遺伝子配列のデータベースを作成する。②精しょうタンパク質の種類を「精子成熟」(= 精子が運動し,受精できる能力を獲得することで妊よう性を獲得する)過程に関連した変化とともにカタログ化する。③特に,精子成熟過程において変化する精しょうタンパク質をコードする遺伝子のノックアウト系統を作成することで,妊よう性との関係・機能を明らかにする。
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研究成果の概要 |
カイコガオス生殖輸管における発現遺伝子データベースを構築して,多数の未推定遺伝子,機能未知遺伝子,スプライシングバリアントを見出すと同時に,新規セリンプロテアーゼやインヒビターならびに,イニシャトリンの新規候補基質タンパク質が推定された。二次元電気泳動法により分離された精子成熟に伴い変化するタンパク質は,構築されたデータベースを利用することで全アミノ酸配列が明らかとなり,イニシャトリンの基質であることが予想された。さらに,これら精漿タンパク質遺伝子のノックアウト系統をゲノム編集により作成したところ1系統がオス完全不妊となり,メス体内での精子移動不全が原因していることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
カイコガ精漿を構成するタンパク質を網羅的に解析することが可能なデータベースが構築された。精子成熟時に変化するタンパク質を調査して,これらも構築したデータベースを利用して解析することで,有用性を確認すると共に,実際にカイコガ精子成熟誘発因子であるイニシャトリンの基質を見出して,これらはメス体内での精子移動に関与していて,これらのタンパク質の不全はオスに起因する不妊をもたらすものが存在することを明らかとした。総じて,体内受精型動物の精液タンパク質機能解析を進める研究基盤が構築でき,同時にその生理的機能の一端が明らかとなり,生殖補助やペストコントロールへの新規応用技術開発へと繋がるものと期待される。
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