研究課題/領域番号 |
20K06075
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39050:昆虫科学関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
手林 慎一 高知大学, 教育研究部自然科学系農学部門, 教授 (70325405)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ジャスモン酸 / 誘導抵抗性 / スイートピー / ハスモンヨトウ / 摂食阻害 / isoxazolin / サリチル酸 / β-アミノプロピオニトリル / プロヒドロジャスモン / ジャスモン酸メチル |
研究開始時の研究の概要 |
誘導抵抗性による「害虫防除技術は開発可能か?」という応用研究上の疑問と同時に、誘導抵抗性における「化学物質の蓄積」が耐虫性に寄与するか否かは不明瞭なままである。そのような中、申請者はジャスモン酸を刺激として用いて、スイートピーにチョウ目害虫の幼虫に対する抵抗性の誘導に成功した。この抵抗性が摂食阻害物質に基づくことを発見したことから、これを分子レベルで解明し、実際に耐虫性に寄与することを直接解明することで、化学生態学上の重要課題を解決する。さらに、この誘導抵抗性の殺虫スペクトルや防除率などを評価する応用研究行い、誘導抵抗性に基づく害虫防除の実用化を目的とする。
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研究成果の概要 |
誘導抵抗性による「害虫防除技術は開発可能か?」という応用研究上の疑問を解決するために「植物-刺激-昆虫」の組み合わせを探索し、スイートピーにジャスモン酸(JA)を処理することでハスモンヨトウへの抵抗性を誘導できることを見出すとともに、この種の反応は比較的普遍的であることも見出した。詳細な研究からこの誘導性抵抗性因子が2-cyanoethyl-isoxazolin-5-one (2-CEIX)であることを突き止めるとともに、この誘導抵抗性はJAにサリチル酸を混用することで増強されることと、2-CEIXに幅広い農業害虫に対する殺虫活性があることを見出し、実用化への道を開いた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
スイートピーにジャスモン酸(JA)を処理することで抵抗性因子(2-CEIX)が誘導蓄積され、それが実際にハスモンヨトウへ抵抗性を示すことを見出すとともに、この種の抵抗性誘導反応は比較的普遍的であることを確認した。これまで実証が脆弱であった誘導蓄積物質が「その濃度で、その植物の害虫に抵抗性を示す」ことを明らかにでき、誘導抵抗性研究のフレームワークを完成に学術的に大きく貢献できた。 さらに、この誘導抵抗性の特性解析や2-CEIXの殺虫スペクトル解析の結果から、リード化合物としての農薬開発や誘導抵抗性型農薬の開発に貢献できることが期待され、社会実装への道が開かれた。
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