研究課題/領域番号 |
20K06077
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39050:昆虫科学関連
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研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
佐々木 謙 玉川大学, 農学部, 教授 (40387353)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 社会性昆虫 / 表現型可塑性 / カースト分化 / 生体アミン / ドーパミン / 進化 / カースト / 脳 / 行動 / 昆虫 / ミツバチ / 表現型多型 |
研究開始時の研究の概要 |
昆虫類では、高次な社会を進化させたハチ類で繁殖を分業する雌個体(カースト:女王・ワーカー)が見られる。行動のカースト分化は脳内の神経細胞群の生理的・形態的違いによって生じると考えられ、ミツバチ成虫の脳内では、女王でドーパミンが多く生産される。本研究では、ミツバチ女王の蛹期における脳内ドーパミン合成の促進機構を追究し、脳のカースト差をつくりだすドーパミン産生細胞群を特定する。また、ミツバチよりも低次な社会を持つマルハナバチにおいても脳内ドーパミン系のカースト差について追究し、社会進化の程度と脳内ドーパミン系のカースト差の程度、エクジステロイドに対するドーパミン産生細胞群の反応を比較する。
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研究成果の概要 |
社会性ハチ類の脳内ドーパミン系のカースト差の一般性とそれをつくりだすメカニズムの解明に取り組んだ。セイヨウミツバチで見られる脳内ドーパミン量・前駆物質量のカースト差はクロマルハナバチでも確認された。ミツバチ幼虫の栄養操作によりカースト中間型を育成し、形態分化の程度と脳内ドーパミン量との正の相関を証明した。クロマルハナバチの羽化個体で脳内遺伝子発現をカースト間で網羅的に比較したところ、栄養代謝系の遺伝子が女王で高く発現していた。このように幼虫期の栄養摂取のカースト差が羽化個体の脳内の遺伝子発現やドーパミン前駆物質量に影響を与え、脳内ドーパミン量のカースト差をつくりだしていることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
社会性昆虫におけるカースト分化は生物の表現型可塑性の代表的な例である。脳のカースト分化は外部形態分化の伴う種(ミツバチ)と伴わない種(マルハナバチ)の両方で見られ、その結果、行動分化を生み出すと考えられる。本研究は脳内ドーパミン量に注目して、両種の羽化直後の段階で脳の生理的カースト差が生じていることを証明した。これは脳の生理的なカースト差が外部形態分化の有無に関わらず、同じように生じることを示した最初の研究である。さらに、カースト中間型で示した外部形態やドーパミン量の連続性は、表現型二型がリアクションノームの特殊な形であることを示した例であり、カースト分化の理解を一層深めたと言える。
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