研究課題/領域番号 |
20K06078
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39050:昆虫科学関連
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研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
原野 健一 玉川大学, 学術研究所, 教授 (80459297)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 採餌 / 採餌行動 / 採餌戦略 / 燃料 / エネルギー / ハナバチ |
研究開始時の研究の概要 |
ミツバチでは、採餌蜂が飛行で消費するエネルギー量を予測し、それに応じた量の貯蜜を採餌に出発する前に摂取することが知られている。巣に貯蜜を持たない単独性のハナバチで、このような燃料調節は、あったとしても異なる形で行われると考えられる。本課題では、単独性ハナバチは花蜜採餌から戻ってきた後、花粉団子を作製するために蜜を吐き戻す際に、必要に応じて蜜を蜜胃に残存させておくというやり方で、燃料を調節している可能性を検証する。また、このようにして燃料を調節する利益も明らかにする。
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研究成果の概要 |
本課題では、トゲアシヒメハナバチの採餌特性と燃料調節について、主に以下の点を明らかにした。1)本種雌はカントウタンポポを主な餌植物としている。2)本種雌は、カントウタンポポを開花直後から訪花し、昼前まで花粉を採集する。3)カントウタンポポは早朝の花蜜分泌量が少なく、本種雌は、早朝の採餌では花からの燃料補給が困難である。4)本種雌は、採餌期間の後半に集めた花蜜を全て花粉団子作成に使うのではなく、一部を蜜胃内に保持している。5)本種雌は、前日に採餌した花蜜を燃料として保持することで、花蜜分泌のほとんどない早朝のカントウタンポポから花粉を採餌することを可能にしている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
巣内に貯蜜を持たない単独性ハナバチでは、社会性ハナバチのワーカーで知られているような貯蜜を積載することによる燃料調節は不可能であるため、燃料調節に関する研究は行われてこなかった。本課題は単独性ハナバチが吐き戻し量を変えることで燃料調節を行っていることを示し、多様な単独性ハナバチでの燃料調節についての研究の端緒を拓いた。 また、本課題で明らかになったトゲアシヒメハナバチの採餌生態は、その餌植物であり、おそらく送粉を担っているカントウタンポポの保全を考える際には重要な情報となるはずである。
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