研究課題/領域番号 |
20K06097
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39060:生物資源保全学関連
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研究機関 | 石川県立大学 |
研究代表者 |
弘中 満太郎 石川県立大学, 生物資源環境学部, 准教授 (70456565)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 行動学 / 昆虫 / 走光性 / 光行動抑制 / 光拘束 / 飛去 / 低誘虫 / 夜間の人工光 / 人工光 / 行動抑制 |
研究開始時の研究の概要 |
人工光源への昆虫の正の走光性現象についての膨大な研究がこれまでなされてきたが,その多くが走光性現象の前半段階である「誘引」を扱ってきた.その一方で,誘引後に昆虫の行動や生理がどう変化し,その結果として誘引個体が光源の周囲にどう「拘束」され,どのような結末をたどるのかについては,わずかな研究例しかない.本研究課題では,人工光源に誘引された昆虫の,その後の行動的・生理的変化を明らかにし,光拘束に伴って起こるコストを野外で測定すると共に,光拘束を利用した昆虫の移送技術について検討する.
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研究成果の概要 |
正の走光性を示す昆虫が人工光に誘引された後に,どのような行動的経緯や生理的変化を経るのかは,ほとんど明らかになっていない.人工光下の昆虫を個別追跡し,行動的特徴を明らかにすることで光拘束メカニズムと離脱解発メカニズムを推定した.その結果,人工光に誘引された昆虫の時間的特徴は3タイプに分かれ,それぞれ異なった行動メカニズムで滞在させられていると推察された.薄明に光拘束が解けて飛翔するアオドウガネでは,外環境からの直接効果が光拘束を解く刺激である可能性が示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義一つは,生態的光害において最重要課題とされる昆虫の光誘引という問題に対して,「誘引後の時間的な視点を与える」ことにある.より直接的な社会への貢献としては,屋外照明の適切な使用指針を具体的に提示することが挙げられる.例えば我が国では,環境省の「光害対策ガイドライン改訂版」などが存在するが,生態的光害については,その内容や対策手法について十分な検討がなされていない.本研究が進められることで,昆虫の生態的光害に関して,対象分類群毎の適切な点灯消灯スケジュールといった具体的提言が可能となる.
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