研究課題/領域番号 |
20K06099
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39060:生物資源保全学関連
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
亀山 慶晃 東京農業大学, 地域環境科学部, 教授 (10447047)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 水田生態系 / 外来生物 / 遺伝的攪乱 / 種間交雑 / 繁殖干渉 / 生物間相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、水田に生育する在来植物が全国的に減少し、近縁な外来植物に置き換わっている可能性が示唆されている。繁殖干渉とは、近縁種の花粉が付着することによる繁殖成功度の低下であり、少数派ほど影響を受けやすい。従って、生息地の物理化学的な環境が不変だったとしても、周辺の外来植物から繁殖干渉があれば、在来植物は集団を安定的に維持することができない。本研究の目的は、「近縁外来種との繁殖干渉によって水田に生育する在来植物が消失している」という作業仮説について、生態遺伝学的な視点から検証することである。
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研究成果の概要 |
水田生態系における在来植物の消失要因について、外来植物との送粉を介した相互作用という視点から研究をおこなった。かつて強害雑草とされていたモトタカサブロウは近縁な外来種であるアメリカタカサブロウの侵入に伴って激減しており、特に本州の関東以西では危機的な状況であることが明らかとなった。その背景として、異種花粉が柱頭に付着することによる種子生産数の減少(狭義の繁殖干渉)、雑種の稔性低下を介した個体群統計学的影響(広義の繁殖干渉)、遺伝子浸透による遺伝的影響(genetic swamping)が関与していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水田生態系を対象として、送粉を介した種間相互作用について検証したのは本研究が初めてである。これまで類似の研究がおこなわれなかったのは、水田に生育する植物の多くが自家和合性を持っており、そのような植物は干渉作用を受けにくいと考えられてきたためだろう。今回、自殖が卓越するタカサブロウ属植物でも一定程度の干渉作用が確認されたことは、送粉を介した種間相互作用と自家和合性との関係について再検討を促し、外来植物による在来植物への影響を再評価するとともに、水田生態系の保全対策に基礎的知見を与えるなど、学術的・社会的に大きな意味を持っている。
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