研究課題/領域番号 |
20K06105
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39070:ランドスケープ科学関連
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
柳井 重人 千葉大学, 大学院園芸学研究院, 教授 (30241946)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 緑地 / 市街地縁辺部 / マネジメント / オープンスペース / 土地利用 / 低未利用地 / 首都圏近郊都市 / 条例 / パブリックオープンスペース / 住区基幹公園 / 狭小緑地 / 空き地 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,首都圏近郊都市における市街地と縁辺部を対象に,POSのリノベーションを,①基本的な概念と枠組み,②POSのリノベーションのプロセス,③POSのリノベーションに係わる空間計画,④POSにおける利用促進プログラム,⑤多主体の連携によるマネジメントの観点からとらえ,その手法を提案するとともに,エリアマネジメント等への展開方策を検討する。研究の結果に基づいて,POSのリノベーション手法を明らかにし,都市公園の陳腐化,市街地の縮退,市街地縁辺部での管理放棄地の増大が予想されるなかでの,より戦略的,効果的な都市経営,土地利用,緑のまちづくり活動等の展開について提案する。
|
研究実績の概要 |
2023年度は、横浜市をケーススタディの対象地として選定し、農園付き公園における調査研究を進めた。農園付き公園は、横浜市が農地の保全と市民の農体験の機会の提供を目的に、土地所有者による維持管理が難しくなった農地を買い取り、市民が身近に農体験ができる分区園や協働農園を整備・管理運営する都市公園であり、市街地縁辺部の農地や低未利用地の活用の一方策としての可能性を探る上で参考になると考える。 調査では、農園付き公園に関わる制度、立地特性・空間構成および管理運営の側面に着目しつつ、農園付き公園の特徴、効果、課題を明らかにし、今後の市街地縁辺部の緑地の活用のあり方を考察した。 調査の結果、以下の点が把握された。すなわち、①農園付き公園において、園内の農的資源を活用した地域住民を対象とした取組みの実施、地域組織や住民の公園植栽管理への参加は地域交流の促進、環境教育と食育の場の効果に寄与していること、②農園付き公園の効果を左右する要因に関して、立地面の要因として周辺人口密度が挙げられる。周辺の人口密度が低いほど、分区園応募倍率が低くなる傾向にあること、③協働農園という地域による共同作業が可能な空間が地域連携の促進に大きく寄与していること、農的資源を活用した活動の実施は、地域交流や環境教育効果を強化する働きを持つものであること等である。今後、農園付き公園の整備経緯、利用行動、地域住民の認識等を明らかにしつつ、考察を深める予定である。 なお、前年度までに実施した研究のうち、低未利用地活用型緑地の設置管理に係わる条例等の制度の運用状況に関わる成果は、日本都市計画学会に査読付き論文として投稿し、採用・掲載された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
横浜市の農園付き公園におけるケーススタディでは、追加調査や査読付き論文の投稿など、研究の精緻化に関わる一部の作業が残っているものの、当初予定していた調査をほぼ終了し、一定の成果を得ることができた。このため、おおむね順調に進展していると判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
2024年(令和6年)度には、これまでケーススタディを進めてきた横浜市の農園付き公園において、追加調査として、利用者の行動観察調査や地域住民の意識調査を行う。また、当該ケーススタディの成果をとりまとめ、学会発表や査読付き論文として投稿する。 最後に、2020年(令和2年)度から着手した本研究の成果を総括し、市街地縁辺部の狭小・低未利用緑地のパブリックオープンスペースとしての更新・再編の可能性,課題,今後のあり方を検討する。
|