研究課題/領域番号 |
20K06106
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39070:ランドスケープ科学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
井田 秀行 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (70324217)
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研究分担者 |
土本 俊和 信州大学, 学術研究院工学系, 教授 (60247327)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 古民家 / 茅場 / 茅葺き / 里山資源 / 伝統的生態学的知識 / 伝統知 / 植生管理 / 火入れ / 里山林 / 樹種選択 / 半自然草地 / 農村景観 / 資源循環 / 森林資源利用 / 里山 / ブナ / 伝統的生態学知識 / 生物多様性 / 植物資源 |
研究開始時の研究の概要 |
古民家を構成する里山資源の合理的かつ持続的な利用方法に関する伝統的な知識体系(伝統知)とその体系に地域多様性が生じた要因を解明する。多雪地域を対象に古民家の使用木材を同定し部材ごとの樹種の使い分けの実態を把握する。木材搬出元となった里山林の構造や履歴を調べ、気候風土に順応した伝統的な林分管理手法を明らかにする。カヤ場では管理形態の違いが屋根材の品質やカヤ場の生物多様性にもたらす影響を評価し、植生管理の継続の意義を検討する。以上の伝統知を異なる地域間で比較検証し、その地域多様性が生じた要因を探ることにより、農山村での自然資源の持続的利用と生物多様性保全の両立に資することが期待できる。
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研究成果の概要 |
本研究では、古民家をめぐる里山資源利用に関する伝統的な知識が、地域ごとに、建築当時の自然環境や社会状況に応じて様々な形で発達してきたことを明らかにした。構造材の樹種構成は周囲の森林植生分布を反映していた。福島県只見町では、近隣の個人の林や共有林でモトヤマと呼ばれる地元の職人が樹種を選び、運搬と伐採も担っていた。火入れにより管理されている茅場では、火入れが茅の品質や昆虫相の多様性の維持に貢献していた。伝統的な除草方法で管理されている茅場でも、そうした除草が茅の品質や多様な植物相の維持に不可欠であった。以上は、里山資源の持続可能な利用と生物多様性の保全の両立に寄与する重要な知見である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により示された伝統知に基づく里山の資源管理のあり方は、地域の自然資源の持続的利用と生物多様性保全の両立に寄与し、資源循環社会の再構築において重要な示唆を与えるものである。一方、こうした地域土着の里山利用の伝統知は多くが各地に埋もれたままであり、早急に同様の調査を進め、その発掘とともに科学知化に努める必要があることを示した貴重な成果である。
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