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我が国の「納涼」とそれを支える水辺社会に関する近現代史研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K06115
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分39070:ランドスケープ科学関連
研究機関関西大学

研究代表者

林 倫子  関西大学, 環境都市工学部, 准教授 (60609808)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワード河川 / 納涼 / 風致 / 水辺 / アメニティ / 花火 / 舟遊び / 納涼床 / 水辺社会 / 河川管理
研究開始時の研究の概要

本研究では、我が国の歴史上にみられた「水辺社会」の一例として、日本各地の水辺に開設されてきた夏季納涼の場に着目する。河川管理者・営業者・利用者という各ステイクホルダーの利害関係をどのような管理・運営によって調整してきたのかという、納涼の場となった水辺をとりまく社会的システムを解明し、今後の「水辺社会」デザインにおいて参照すべき先行事例を蓄積することを目的とする。その研究成果により、今後、民間参入による「水辺社会」の構築およびその制度設計を進める際に必要な観点や指針を得られるものと期待される。

研究実績の概要

本研究では、我が国の歴史上にみられた「水辺社会」の一例として、日本各地の水辺に開設されてきた夏季納涼の場に着目する。河川管理者・営業者・利用者という各ステイクホルダーの利害関係をどのような管理・運営によって調整してきたのかという、納涼の場となった水辺をとりまく社会的システムを解明し、今後の「水辺社会」デザインにおいて参照すべき先行事例を蓄積することを目的としている。
2023年度は、前年度までに進めてきた京都鴨川の納涼および風景形成に関する研究成果を、パリ社会科学高等研究院主催のワークショップ「Workshop on the Connections in Water History: France-Japan, Early Modern-Modern, Engineering-History」において発表した。ワークショップにおいては、パリと京都の近代河川空間整備における類似性について議論を行い、国際間比較という視点を得た。
次に、大阪大川納涼については、川での遊びのアクティビティやその取り締まりに関する新聞記事や二次資料の収集を継続した。市内遊所とのつながりからみた大川納涼の位置づけについて、土木学会関西支部主催の「関西土木工学交流発表会」と土木学会景観・デザイン研究発表会にて発表した。
今後は、大阪大川納涼に関する各種資料収集とその分析を進めるとともに、京都鴨川の近代納涼場の変遷と空間整備について、また宇治川の宇治公園形成について、研究成果を査読論文として取りまとめる予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2023年度に予定していた内容のうち、京都鴨川および宇治川の研究成果のとりまとめと査読論文執筆については未完成に終わったが、これは、急遽京都鴨川の研究内容を国際ワークショップで発表する機会を得、その準備等に時間を割いたためである。査読論文のとりまとめは2024年度中に行う予定である。
また、2022年度より本格的に着手し始めた大阪大川納涼については、2023年度中に大きく前進し、2度の学会発表を行うことができた。2024年度にはそれをさらに進め、京都鴨川の納涼との比較から時代的変化や地域的特徴についても考察していく予定である。

今後の研究の推進方策

2020年度末に、研究期間の1年延長を決定し以下のような計画を立て、かつ、コロナ禍という社会情勢を鑑みて関西圏の対象地に重きを置いた調査計画にシフトさせた。
テーマ1「三都納涼および国内の主要な納涼の場の把握」(2020~2021年度)
テーマ2「納涼の場の空間・景観の実態解明」(2021~2023年度)
テーマ3「納涼の場の管理・運営・利用面に着目した都市社会学的解明」(2022~2024年度)
京都鴨川および宇治川の研究は、テーマ1~3のすべてについてほぼ完成に近づいているため、研究成果の論文執筆を進めるとともに、2023年度の国際ワークショップで得た河川空間整備の国際比較という視点も踏まえて、内容を充実させる予定である。
大阪大川の研究は、現在テーマ2から3にかけての途上にある。2024年度には継続して調査を進めていく。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2024 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 明治期の大阪大川納涼場の営業実態及び市内遊所とのつながり2023

    • 著者名/発表者名
      山口匡輝・林倫子
    • 雑誌名

      景観・デザイン研究講演集

      巻: 19 ページ: 216-222

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Landscape of “Sanshi-suimei” in modern Japanese literature2022

    • 著者名/発表者名
      林 倫子
    • 雑誌名

      関西大学東西学術研究所紀要

      巻: 55 ページ: A43-A61

    • DOI

      10.32286/00027185

    • URL

      https://kansai-u.repo.nii.ac.jp/records/23172

    • 年月日
      2022-07-01
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 近代宇治における遊覧地形成―宇治保勝会による宇治公園整備と本多静六らによる宇治町公園計画案に着目してー2022

    • 著者名/発表者名
      林倫子・青柳昇吾
    • 雑誌名

      景観・デザイン研究講演集

      巻: 18 ページ: 283-290

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 京都大水害後の鴨川改良計画における中流断面及び東岸遊歩道路の風致設計2022

    • 著者名/発表者名
      谷川陸, 林倫子,山口敬太, 川﨑雅史
    • 雑誌名

      土木学会論文集D2(土木史)

      巻: 78 号: 1 ページ: 59-75

    • DOI

      10.2208/jscejhsce.78.1_59

    • ISSN
      2185-6532
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 戦後の京都鴨川改修計画の景観設計における歴史性・文化性の考慮 ―広場のデザインに着目して―2021

    • 著者名/発表者名
      林倫子・栢原佑輔
    • 雑誌名

      景観・デザイン研究講演集

      巻: 17 ページ: 157-164

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] The Kamogawa River Landscape in the Kyoto’s Early Modern and the Modern Era2024

    • 著者名/発表者名
      Michiko Hayashi
    • 学会等名
      Workshop on the Connections in Water History: France-Japan, Early Modern-Modern, Engineering-History
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 明治期の大阪大川納涼場と市内遊所とのつながり2023

    • 著者名/発表者名
      山口匡輝・林倫子
    • 学会等名
      2023年度 関西土木工学交流発表会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 戦後の京都鴨川改修計画の景観設計における歴史性・文化性の考慮 ―広場のデザインに着目して―2021

    • 著者名/発表者名
      林倫子・栢原佑輔
    • 学会等名
      第17回土木学会景観・デザイン研究発表会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 風景表象の比較史2023

    • 著者名/発表者名
      野間晴雄 編著
    • 総ページ数
      181
    • 出版者
      関西大学東西学術研究所
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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