研究課題/領域番号 |
20K06117
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39070:ランドスケープ科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
松浦 俊也 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (00575277)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 地理情報システム / ポテンシャルマッピング / 森林空間利用 / 多基準評価法 / GIS / すみわけ / 森林野外活動 / 棲み分け |
研究開始時の研究の概要 |
近年、登山道・林道でのランニングなど野外活動が多様化し、健康増進や自然体験機会の増大、地域振興などから期待されている。一方、新たな活動が、地域住民の生活やハイキングなどの従来の活動と競合したり、活動の適地が伐採や土地改変で失われることも多い。そこで本研究では、(1)トレイル周辺での多様な余暇活動における環境利用の特性や課題を整理し、(2)各活動の適地を地図化・相互比較する手法を開発し、(3)多様な活動を排除せず共存・すみわけを図る森林管理のあり方を提示する。
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研究実績の概要 |
森林における多様な観光・レクリエーション利用の特徴を捉え、各活動の維持・向上・共存に向けた課題を捉えるために、国内各地で視察・聞き取りを行った。主対象地の茨城県と岩手県では、各活動に利用されやすい車道や登山道近くの森林に関わる地理情報を収集・整理したデータベースを作成し、各活動に適した場所の地理的分布を地理情報システム(GIS)で可視化する手法の開発を進めた。茨城県中南部の都市近郊や観光地周辺では、マウンテンバイク(MTB)やトレイルランや乗馬などの後発的な活動が、登山や散策などの従来からの活動と競合し、競合を避けるために、活動場所を、尾根筋の国有林・公有林に多い主な登山道から、私有林の多い周囲の山麓・低山地域に移していき、それに伴い、多数の地権者と調整しつつ持続的利用が目指されている様子が捉えられた。また、かつて牛馬の橇道として利用されていたU字型の横断面形状をもつ山道がMTB利用に好まれる様子や、いくつかの地域では、MTBの愛好者や観光活用事業者が落ち葉や倒木の処理を継続的に行う事例もみられた。一方、岩手県北では、シラカンバ林の高齢級化・遷移が進み、車窓からや散策時に景色を楽しめる場所の維持や更新が課題となっている。そこで、道沿いにシラカンバ林が集中する場所をGISで可視化し、とくに集中する地域で、登山道の分布とシラカンバ林分布との関わりの解析を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定通り、登山道や林道周辺の地理情報や現地情報の収集・整理と調査・解析手法開発を進めるとともに、森林空間利用に関わる国内外の情報収集を進められた。そこで、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、森林域での多様な観光・レクリエーション活動の実態把握と、地理情報解析手法開発・とりまとめを進め、各活動に適した場所の分布や、どのような場所で競合したりすみ分けたりしているかを明らかにする。
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