研究課題/領域番号 |
20K06119
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
橋本 靖 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (40332481)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 樹木 / 内生菌 / 共生 / 宿主特異性 / 特異性 / 葉内生菌 / 湿原 / 矮性樹木 / 共生菌類 / 灌木 / 共生菌 / 樹木葉 |
研究開始時の研究の概要 |
樹木の葉には、菌類(カビの仲間)が病気を起こすことなく共生しており、内生菌と呼ばれている。これらの内生菌が樹木葉に、どのようなパターンで定着しているのかは、森林の多様な環境要因と樹木の大きさがネックとなってわかっていない。本研究は、環境要因が単純な湿原で、そこに生える灌木を対象にして、樹種ごとの葉の内生菌を詳細に比較することで、その定着メカニズムを明らかにしようとする。湿原に生える灌木は、根につく共生微生物(菌根菌や根粒菌)が樹種ごとで大きく異なり、根で受け入れる共生微生物が生理的に決まっているが、それが葉の内生菌の定着と、どのように関係するかを調べて、内生菌の定着メカニズムを明らかにする。
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研究成果の概要 |
植物の葉や根には内生菌と呼ばれる菌類が病徴を示さずに一般的に定着している.これらの内生菌の存在が宿主植物にとってどのような意味があるのか,また,定着する菌類側はどのような生活をしておりどのように宿主植物を選んで定着しているのかなど,基礎的なことは分かっていない.この研究では,同じ環境下で近接して暮らしている樹木種4種の生きた葉の中にいる内生菌の種構成を比較することから,植物の分類群や根系で特異的に選ばれている共生微生物との関連を明らかにすることを目的とした.その結果,分類群が近い樹種では似た分類群の内生菌が定着し,分類群が遠い樹種ではより異なる内生菌群集を持つことが示された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植物の根系の共生菌類では,宿主特異性や機能性がかなり判ってきており,農作物管理への応用や希少植物の保全に役立つ情報が蓄積されている.しかし,地上部に定着している共生菌類が,どのような傾向を持って宿主植物に定着しているのか,特に樹木では,これまでほとんど明らかではなかった.その理由は,極めて多様な内生菌類が検出されるものの,樹木の大きさ故に定着の傾向を,環境要因などを絞り込んで比較することが出来にくいためであった.今回,同じ環境下で同所的に定着している複数の異なる性質の矮性樹種を比較することが出来たため,地上部の内生菌類の特異性の傾向が,宿主の分類群にある程度依存することが明らかになった.
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