研究課題/領域番号 |
20K06120
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
逢沢 峰昭 宇都宮大学, 農学部, 准教授 (70436294)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | キリ属 / ニホンギリ / チョウセンギリ / 核マイクロサテライトDNA / 葉緑体DNA / 遺伝的系統 / 花冠 / 特用林産 / 核マイクロサテライト / 遺伝的多様性 / 会津桐 / キリ / 種識別 / 地域系統 / DNA |
研究開始時の研究の概要 |
日本では、桐は古くから栽培・利用されてきた。日本で栽培される桐には複数種が含まれるとされる。しかし、どの種が利用されているのかさえわかっていない。本研究では、遺伝解析によって桐の種識別を行い、各地域の利用種およびその地域的な違いを明らかにする。また、各地域の栽培桐の親木や苗木の遺伝的多様性(遺伝的均一化の有無、近親交配の影響)を明らかにする。この研究の成果は、各地域における桐の優良系統の保存、遺伝的多様性の高い苗木の育成、病虫害への抵抗性の付加など、桐栽培の育種学的な改善につながるものと期待される。
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研究成果の概要 |
国内でみられるキリ属植物にはキリのほか複数の種や系統があるといわれているが、実体は不明である。本研究では、葉緑体DNAと核マイクロサテライトDNAを用いてその実体の解明を試みた。解析の結果、東日本ではキリとチョウセンギリがみられたが、両種は遺伝的に明確に区別できず、同じ分類群と考えられた。一方、これらは大きく異なる2つの葉緑体DNAの系統をもち、キリは両系統をもつが、チョウセンギリは概ね一方の系統のみをもっていた。この違いは、過去、異なる時代にまたは異なる経路で国外から持ち込まれたか、キリでは過去に中国の分類群との交雑を介した葉緑体DNAの遺伝子浸透があったことに由来する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
キリ属植物は日本の重要な特用林産物であり、地域によって利用種や系統が異なる可能性がある。しかし、成長が速く短命な早生樹であることから、木材性質や成長がよいことで利用されてきた種や系統が早晩滅失することが危惧される。一方、近年、木材を地域ブランドとして生産する動きや、木質バイオマスや二酸化炭素吸収源として利用する動きも目立つ。本研究の結果、東日本では地域でみられる種に違いはなかったものの、遺伝的に大きく異なる2系統が存在すること、外国産種との種識別もある程度可能であることが明らかになった。この成果は、今後、木材性質や成長に優れた種や系統を選抜・育成する上での育種基盤に資するものである。
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