研究課題/領域番号 |
20K06121
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉岡 拓如 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (00409070)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 森林バイオマス / 小径木 / 収穫技術 / 経済性 / 環境性能 / 広葉樹 / 粉砕作業 / 資源ポテンシャル |
研究開始時の研究の概要 |
「再生可能エネルギーによる電力の固定価格買取制度」終了後を見据えた未利用木材供給源の確保と利用のさらなる拡大のために,国内の人工林の除伐作業で発生する小径木が有力な候補となる可能性が高い。本研究は,その除伐時に利用可能な小径木を対象に,わが国に適した効率的な収穫技術を明らかにするとともに,その経済性と環境性能を示すことにより,小径木の収穫技術の国内への導入・普及に向けた基礎資料とすることをねらいとする。
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研究実績の概要 |
今年度は,まず開発した現実的に可能な労働投入量を考慮した持続的林業経営モデルを用いて,昨年度に算出した高齢級の林分が比較的多くを占める人工林の皆伐再造林を進める施業を行う過程で発生する未利用森林バイオマス資源量のうち,造材時に発生する末木や枝条などの林地残材に着目した。 具体的には,作業道端における全木材の造材により発生する林地残材の粉砕作業を効率的に行うことができる残材の積み上げ幅を検討することを目的として,グラップルローダによる残材寄せ作業の後にグラップルクレーンを用いて粉砕を行う作業システムを想定した簡易なモデルを構築した。また,道端での林地残材の積み込み作業の現地調査を行い,その作業時間観測結果をもとに,林地残材の積み込み作業のモデル化と輸送を含めた採算性の検討を行い,地域における林地残材収穫・輸送コストを試算した。 また,開発した持続的林業経営モデルにおいて,既存の林道から伐採候補地に挙がった小班まで,地形条件を考慮しながら作業道の開設を支援するサブモデルを拡張するとともに,ゲームエンジンUnityを用いて作業道を開設した場合の林況の変化を可視化することにより,森林所有者の理解を容易にする三次元モデルを開発した。 さらに,以上の研究成果を国内外の学術研究発表会で発表するとともに,小径木と林地残材の収穫技術に関する先進事例の調査をイタリアとオーストリアで実施した。研究成果は国際学術雑誌へ投稿中であり,最終年度は海外の調査結果を分析し,本研究を,小径木をはじめとする未利用森林バイオマス資源の効率的な収穫技術と経済性および環境性能の評価に関する研究としてまとめたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
成果が得られた研究の公表(学会発表と学術雑誌への投稿)に向けた準備は順調である一方,海外の先進事例の調査が当初の予定よりも大幅に遅れてしまったため,研究全体のとりまとめまで到達することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
個別の研究成果については,複数の成果が国内外の学術雑誌に掲載済みであり,残りも学術雑誌への投稿作業を進めている段階である。最終年度は海外の調査結果を分析し,本研究を,小径木をはじめとする未利用森林バイオマス資源の効率的な収穫技術と経済性および環境性能の評価に関する研究としてまとめたい。
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