研究課題/領域番号 |
20K06127
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
小林 剛 香川大学, 農学部, 准教授 (70346633)
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研究分担者 |
鈴木 重雄 駒澤大学, 文学部, 教授 (40581476)
福島 慶太郎 福島大学, 食農学類, 准教授 (60549426)
久本 洋子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (60586014)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | タケ亜科植物 / 大規模開花 / 一斉開花 / ハチク / 遺伝構造 / 竹林 / タケ / 分布 / 更新動態 / タケ類 / 更新 / データベース / 画像解析 / 開花 / 動態 / 構造 |
研究開始時の研究の概要 |
2010年代前半から,数十年に1度と言われる数種のタケ類の開花が日本各地で生じている。本研究では, a)関東以西におけるタケ類の開花地のマッピングを行い,開花地の出現パターンを地理スケールで把握する。その情報に基づいて開花林分の多い地域を選出し,b)2010年以降の開花林分の出現と開花後の林分の様相の変化を追跡する。先行調査では,開花は空間的な異質性を伴いながら数年にわたって生じることが珍しくない。そこで,開花林分からタケ類の植物体を採取し,c)開花・非開花林分(またはある林分内の開花稈・非開花稈)の遺伝的相違の解析,および d)栄養塩動態(とくに炭素・窒素)に対する開花の影響診断に取り組む。
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研究実績の概要 |
1)日本国内におけるタケ類の開花に関する情報収集とデータベース化:2010年代から生じている西日本におけるハチク林の広域開花は,前年度に解析したハチク分布の全域に及んでいた。全域での開花期間はすでに10年以上を経ているが,未だに新規の開花林分が検出される。また,ハチク以外のタケ亜科植物の開花情報も蓄積してきた。継続した開花情報の収集のため,市民参加も考慮した新たな開花記録フォームをウェブ上で公開・運用開始した。
2)ハチクの開花枯死後の回復・遷移の可能性:開花したハチク林を対象とした植生調査・毎ラメット調査を主に香川で継続した。過去の調査ではハチクは種子結実に失敗するとともに,開花後の残存地下茎から発生する矮小再生ラメットは広葉樹や他のタケ類に被圧される傾向しか検出できなかったが,周辺に他植生を欠く面積の広い平坦地の林分では矮小再生ラメットの生育高が地表近くに倒伏した林冠ラメット群を越えるケースがあり,栄養成長による更新にはこのような条件を要することが示唆された。
3)ハチクの地理~林分スケールの遺伝構造の解析:香川と島根のハチク林に未開花(非開花)~開花後のパッチにわたって新たに格子状の調査枠を複数設置した。これらの調査枠と日本各地で収集を続けてきた葉サンプルからDNAを抽出し,MIG-seq法で遺伝構造を解析した。その結果,予想とは異なり地域内・地域間の両方で明確な遺伝的変異は検出されず,体細胞突然変異,過去の開花後の更新過程における自然選択,広範囲にわたる人為植栽などが影響していると考えられた。地域・林分間の開花時期や開花強度の相違には,遺伝的な変異以外の要因が係わっている可能性も示唆される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
モニタリングの継続によってハチク開花林(および他のタケ類)の出現パターンに関する情報をさらに蓄積することができた。また,開花林分における群落構造の追跡から,更新の失敗だけでなく成功の条件を新たに見出しつつある。さらに,遺伝構造の解析から未知だった知見が得られ,今後の開花地の出現パターンや開花の適応的意義の理解のための新たな作業仮説を得ることができた。平行して各地の葉および土壌サンプルを蓄積してきており,後者についても一部は予備解析を開始し生態系機能に対する開花枯死の影響を診断するための状況が整ってきた。
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今後の研究の推進方策 |
ハチクの開花枯死後の林分は,1)広葉樹林への推移,2)他の竹林への推移,3)ハチクの更新(持続)といった様々なパターンが想定できる。現在まで維持してきた調査地だけでなく,それぞれのパターンを検証しやすい調査地を再設定していく。また,それらの調査地を活用し,遺伝構造の欠如の可能性をさらに追求する。研究経費を遺伝構造や窒素循環の分析に集中させ,当初目的の達成を導く。継続している開花とその様々な影響を明らかにするために,課題期間の終了後も長期的なモニタリングを実現する体制を強化する。
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