研究課題/領域番号 |
20K06133
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
久保田 多余子 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (70353670)
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研究分担者 |
香川 聡 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (40353635)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 髄 / 降水量復元 / 酸素同位体比 / 水素同位体比 / 炭素同位体比 / スギ / 年輪気候学 / 年輪年代学 / 炭素安定同位体比 / 水素安定同位体比 |
研究開始時の研究の概要 |
髄または髄付近の年輪の酸素・水素・炭素安定同位体比を分析することにより、降水量を日単位で復元することを目的とする。初年度は苗畑に植栽したスギ、ヒノキ、アカマツ苗を用い、梢端の1日ごとの成長量を記録して、何月何日に成長した髄であるか明確にした上で、髄を伸長方向に細かく分割し、酸素・炭素・水素の同位体比を分析する。そして、髄の同位体比に日変動が見られ、日単位で降水量が復元可能かどうかを確認する。2年目以降は、国有林内に実際に植栽されている壮齢の樹木を用いて、髄を伸長方向に分割していくことにより、数年間の降水量を日単位で復元することを試みる。
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研究成果の概要 |
樹木の中心にある髄を伸長方向に分割して酸素・水素・炭素安定同位体比を分析することにより、日単位で降水量を復元することを試みた。スギ苗木の頂端の位置を定期的にマーキング後、苗木を伐採し、頂端から厚さ0.5mm程度の連続木口面切片を作成した。伸長成長の観測データから、髄の形成時期を推定し、2020年7月8日から9月30日に形成されたと推定される髄について、酸素・水素・炭素安定同位体比データと、髄の形成時期に対応する気象データ(降水量、相対湿度、気温、放射量等)とを比較した。髄の同位体比は部分的には数時間単位で気象データとの同調が見られるが、長期にわたり連続して気候復元できるかは判断できなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
樹木の伸長成長量はその肥大成長量に対して約 100倍程度大きく、成長の良いスギの場合、頂端の一日当たりの伸長成長量は5mm以上に達する。髄の細胞壁は木部の細胞壁より形成期間が短いと予想され、髄(または髄付近の木部)を伸長方向に細かく分割して安定同位体分析を行うことにより、胸高部年輪を半径方向に細かく分割するよりも時間分解能の高い古気候復元が実現できる可能性がある。年輪気候学ではこれまで年単位という時間スケールで気候を復元することを可能にしてきたが、本研究では、数日単位で気候を復元することを目指している。
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