研究課題/領域番号 |
20K06145
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小谷 亜由美 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (80447242)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 地表被覆 / 土地利用 / 永久凍土 / 活動層 / 地表面熱収支 / 土地利用変化 / 凍土 / シベリア / 植生被覆 / 凍土熱環境 / 植生凍土相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
気候変動の影響を直接的・間接的に受け、降水量や気温の極端現象の激化や頻発化に直面している寒冷圏陸域生態系では、今後も永久凍土荒廃・後退が進行すること懸念されている。従来から注目されている火災や森林伐採などの攪乱に加えて、都市活動にともなう土地利用変化の影響もその要因の一つである。土地利用変化が凍土環境およびその安定性に及ぼす影響を最小限に抑える対策につながる知見を得ることを目的として、本研究では永久凍土地帯東シベリア森林域にある都市周縁域における、利用形態や攪乱程度の異なる植生地の凍土保護機能を地表被覆の断熱効果に着目して評価する。
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研究成果の概要 |
本研究では、森林生態系の凍土保護機能が土地利用変化によりどのように変化し、凍土安定性の変化が起こるかを解明するために以下の課題を実施した。1) 文献調査により、都市周辺域の土地利用と凍土保全への取り組み、表層土壌の攪乱をもたらす牧畜や耕作が土壌の熱物理特性に与える影響を整理した。2) 森林モニタリングサイトの観測データを解析し、地表植生と土壌水分が活動層の凍結融解過程に与える影響を評価した。3) 道路景観の写真を分析し、道路延長と森林伐採が凍土の熱動態に与える影響を検討した。これらにより、土地利用変化が凍土保護機能に与える影響を総合的に評価する基盤情報を整理した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、文献調査、森林の凍土環境の解析、都市周辺の景観解析という異なる手法を用いて、人間活動のもたらす凍土環境への影響を多角的に明らかにすることを目的としていたが、研究を進める中で多手法の融合が十分に進まず、その結果、人間活動がもたらす凍土への影響の定量化や効果的な凍土保全策の提案には限界があった。今後の課題として、データの精度向上と研究手法の改善とともに、異なる土地利用の相互作用も視野に入れた解析を進めることで、地域社会における環境教育や環境保護意識の向上に貢献することが期待される。
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