研究課題/領域番号 |
20K06156
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40020:木質科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
渡邊 陽子 北海道大学, 農学研究院, 研究員 (30532452)
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研究分担者 |
安江 恒 信州大学, 学術研究院農学系, 准教授 (00324236)
大野 泰之 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 森林研究本部 林業試験場, 研究主幹 (30414246)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 失葉 / 光合成産物の分配 / 木質形成 / ウダイカンバ / カラマツ / 13CO2パルスラベリング / ナイフマーキング / white ring / 木部繊維壁 / 仮道管壁 / 食葉性昆虫 / 炭素安定同位体パルスラベリング / 形成層 / carbon allocation |
研究開始時の研究の概要 |
近年、冷温帯林で食葉性昆虫が大発生し、森林樹木の成長期の失葉が頻発している。その結果、年輪幅の減少などが生じ異常な木質が形成される。これは、失葉とその後の再展葉による光合成産物の減少が原因であると考えられるが、未だそのメカニズムは解明されていない。本課題では、炭素安定同位体を含む二酸化炭素を光合成により樹体内に取り込ませ、成長期の失葉とその後の再展葉による光合成産物の分配の変化を追うことで、異常な木質形成のメカニズムを解明する。
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研究成果の概要 |
本研究では、摘葉処理、13CO2パルスラベリング法およびピン打ち法を組み合わせ、失葉下での異常な木質形成が光合成産物の分配の変化により生じるかどうかを明らかにした。その結果、失葉下では摘葉処理前の光合成産物を利用して木質形成は行われず、再展葉後に獲得された光合成産物もしくは樹体内の貯蔵物質を利用して形成された可能性が示唆された。本研究の結果から、失葉により光合成産物の分配が変化し、その後の木質形成に影響することが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで成長期の失葉と異常な木質形成の関連が指摘されていたが、詳細は不明だった。本研究は、樹木が成長期に失葉した場合の光合成産物の分配の変化と木質形成の関係を明らかにすることができた。この異常な木質形成は木材として利用するときに材質低下を招くことが知られている。今後、地球環境変動下で食葉性昆虫の大発生の頻度増加が予測されており、本研究の結果は、地球環境変動下での森林管理および木材利用における知見を提供することができる。
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