研究課題/領域番号 |
20K06162
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40020:木質科学関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
米田 夕子 静岡大学, 農学部, 准教授 (90638595)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | リグニン-糖複合体 / リグニンー糖複合体 / リグニン-糖複合体 |
研究開始時の研究の概要 |
木質資源を化学工業原料として活用するために,リグニン-糖複合体(lignin-carbohydrate complex,LCC)から界面活性剤としてはたらく物質の創出を目指す。LCCは親油性である芳香族炭化水素を多数含むリグニンと親水性の単糖類が重合した多糖類とが結合した高分子である。界面活性剤となりうる親油性部分と親水性部分からなる低分子LCCを作成するために,リグニンと糖との結合を維持したまま,LCCを低分子化する方法を見いだすことを目的とする。
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研究成果の概要 |
リグニン-糖複合体(Lignin-Carbohydrate Complex、以降LCCと略す)に着目し、木質バイオマス(木粉)から界面活性能を有する物質の創成を目的として研究を実施した。まず、木粉から目的の物質を分離する処理工程において、LCC特有の化学構造が失われることのない処理法を開発する必要があった。そのため、木粉中に存在するLCCを、木粉中に存在する状態において検出可能となるような特徴を見いだすことを試みた。木粉から得た画分について、別途化学合成したLCC断片モデル化合物の情報と対比させて解析した結果、得た画分中にLCCが存在する可能性が大きいことが推察された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の学術的意義は、これまでは化学的にはセルロース、ヘミセルロース、リグニン、抽出成分というように、物質ごとに分けて取り扱われてきた木質バイオマスを総体として捉え、新たに有意な価値を発見することである。そこで、リグニン-糖複合体(LCC)に着目し、木粉からLCCを分離する際にその化学構造を損なわずに利用できる可能性を示した。社会的意義としては、木質バイオマスを有効に活用するための技術開発に寄与し、木質バイオマスの価値を高める可能性を広げた。本研究成果は、木質バイオマス利用関連産業において、持続可能な材料やプロセスの開発に貢献することが期待される。
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