研究課題/領域番号 |
20K06169
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40020:木質科学関連
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研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
岸本 崇生 富山県立大学, 工学部, 准教授 (60312394)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | モノリグノール / ペルオキシダーゼ / ラッカーゼ / コニフェリルアルコール / シナピルアルコール / アシル化リグニン / 脱水素重合 / リグニン / NMR |
研究開始時の研究の概要 |
樹木のリグニンは、主要構造であるβ-O-4構造が50-60%を占めている。しかし、ペルオキシダーゼを用いたモノリグノールの脱水素重合物(DHP)のβ-O-4構造量は、樹木のリグニンと比べて著しく低い。その原因として、重合中のリグニン自身のベンゼン環による疎水領域や、セルロースやヘミセルロースを構成する単糖中のCH結合による疎水領域のため、実際の樹木細胞壁中でのリグニンの生合成環境は従来考えられている以上に疎水的でああると考えた。本研究では、DHPの酵素重合において、細胞壁中の疎水環境を再現し、β-O-4構造などのリグニンの化学構造におよぼす影響について明らかにする。
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研究実績の概要 |
植物細胞壁のリグニンは、主要構造であるβ-O-4構造が50-60%を占めている。しかし、西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)や市販のカワラタケ由来のラッカーゼなどを用いたモノリグノールの重合では、脱水素重合物(人工リグニン:DHP)中のβ-O-4構造量は、細胞壁中のリグニンと比べて著しく少ない。その原因として、重合中のリグニン自身のベンゼン環などによる疎水領域や、セルロースやヘミセルロースなどの多糖を構成する単糖中のCH結合などによる疎水領域のため、実際の細胞壁中でのリグニンの生合成環境は従来考えられている以上に疎水的であり、その疎水環境がリグニンの化学構造を規定する重要な因子であると考えた。これまでにモノリグノールの脱水素重合に及ぼす要因として、疎水環境の影響についてエタノールなどの有機溶媒を用いた検討やアシル基の影響について検討を行ってきた。シリンギルリグニンの形成の初期段階の解明を行うため、フローマイクロリアクターなどを用いてシナピルアルコールの反応についても検討してきた。また、ケナフなどに存在する、アセチル基などでアシル化されたリグニンの形成に及ぼすアシル基の影響を解明するため、HRP/過酸化水素を用いてシナピルγ-アセテートの反応生成物の解析を行い、テトラリンタイプのβ-β型2量体が生成することを確認した。これらの構造が実際にリグニン中に存在するか検討するため、栽培したケナフからリグニンを単離し、解析を行った結果、ケナフリグニン中にテトラリンタイプの構造は存在しないことが分かった。アセチル基の影響に加え、p-クマロイル基の影響や、トウモロコシリグニンの分析についても検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
シナピルアセテートの脱水素重合物に加え、コニフェリルアセテートを用いて酵素脱水素重合を行った。コニフェリルアセテートの酵素脱水素重合はこれまでに報告がなかったが、複数のジリグノール類の生成を確認し、その構造解析を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
コニフェリルアルコールやシナピルアルコール、シナピルγーアセテート、シナピルP-クマレート等の脱水素重合の際の初期反応生成物について検討する。また、トウモロコシリグニンの化学構造解析についても進め、アセチル基やp-クマロイル基の影響やその疎水環境の影響についても検討する。
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