研究課題/領域番号 |
20K06170
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40020:木質科学関連
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研究機関 | 公立鳥取環境大学 |
研究代表者 |
佐藤 伸 公立鳥取環境大学, 環境学部, 准教授 (60467438)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 加硫ゴム / 木材腐朽菌 / キノコ / 分解 / 再資源化 / 破断強度低下 / 微生物分解 / 脱硫 / 炭酸カルシウム / ゴム / リサイクル |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者は、鳥取県内から採取した木材腐朽菌シロカイメンタケが、①加硫ゴム内部の架橋密度を低下させ、硫黄の架橋結合の切断が示唆されたこと、②補強材として用いられる炭酸カルシウムをゴム内部から除去する性質を見いだした。これらの性質は、廃ゴムの再資源化に役立つ技術となり得る。 本研究では、ゴムの再資源化を可能にするシロカイメンタケの硫黄架橋結合切断機構、並びに炭酸カルシウム除去機構を明らかにし、In vitroでの再現性を検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では、一般に分解が難しいとされる加硫ゴムに対して分解性を示す木材腐朽菌シロカイメンタケの分解メカニズムを明らかにし、その性質を廃ゴムの再資源化に活かすことを目的に研究を行った。研究当初シロカイメンタケと思われていた菌は別種のハカワラタケであることが判明した。また同族のシハイタケも加硫ゴムに作用することが明らかとなった。 ハカワラタケが分泌する成分の中に、植物性テルペン化合物による加硫ゴムの軟化を加速させ、引張強度を低下させる物質があることが示唆された。この成分は使用済みゴムのリサイクルプロセスの一つである、物理的にゴムを粉砕する再資源化工程に役立つことが期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
固体の加硫ゴム材料に対する微生物分解は、これまで極めて限定的であるとされてきたが、本研究から市販の加硫ゴムシートでも重量減少と著しい物性低下を伴って劣化分解を引き起こす木材腐朽菌シハイタケが自然界から見つかった意義は大きい。不可逆的な反応とされる加硫ゴム中の硫黄の結合が、菌の作用で部分的にでも切断されていれば、廃ゴムを再生ゴム原料に戻すリサイクルプロセスに大きく役立つ可能性がある。また、菌の分泌する成分の中にテルペン油によるゴムの軟化を加速させる物質の存在が示されたことは大きな発見であり、廃ゴムの物理的な粉砕による原料ゴム化と、それを使った再資源化に大きく役立つことが期待される。
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