研究課題/領域番号 |
20K06171
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40020:木質科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
板倉 修司 近畿大学, 農学部, 教授 (60257988)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 昆虫食 / 生物資源 / シロアリ / miRNA / miRNA inhibitor / miRNA mimic / JHAMT / CYP15A1 / JHEH / JHE / JHBP / Coptotermes formosanus / Reticulitermes speratus / マイクロRNA / インヒビター / 変態 / タンパク質変動解析 / イエシロアリゲノム解析 / microRNA / termite / metamorphosis / insect breeding |
研究開始時の研究の概要 |
シロアリの社会は,一対の女王と王,職擬,ニンフ(将来の翅蟻)と兵蟻から構成されている。職蟻とニンフは,幼形生殖虫(幼虫の外観を保ったまま卵巣や精巣が発達し産卵が可能な個体)あるいは翅蟻へと形態を変え,交配・産卵する能力を宿している。この形態変化の際に,シロアリ体内で働いているマイクロRNAの種類とその制御対象となる遺伝子を明らかにすることを目的とした研究である。具体的には,マイクロRNAに対するインヒビターRNAをシロアリに投与し,職蟻あるいはニンフから幼形生殖虫あるいは翅蟻への形態変化を抑制しているマイクロRNAを分解することで,シロアリ体内で働くマイクロRNAの種類と機能を明らかにする。
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研究成果の概要 |
有翅虫の特徴である複眼や翅の形成,幼形生殖虫の特徴である体表の着色やキチン合成への関与が予測される3種類のmiRNA(miR-7-5p,miR-8-3p,miR-12-5p)のinhibitorとmimicをイエシロアリとヤマトシロアリに注入した。 miRNA inhibitor注入で,ヤマトシロアリではnostrin,ribosomal proteinなどのmRNA発現量が増加した。イエシロアリではCYP15A1,JHBP,エクジソン受容体などのmRNA発現量が増加した。 miRNA mimic注入では,両シロアリで注入後5~7日経過後にJHAMTとCYP15A1のmRNA量の低下が認められた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
シロアリは良質なタンパク質と脂質を含むため,食料や飼料としての活用が期待される。シロアリ1匹の体重は数mgしかなく,また成熟したシロアリの巣の中の個体数は数万匹~百万匹に過ぎないため,巣全体のシロアリを採集したとしても数十g~数kgしか集めることができない。このためシロアリを食料・飼料など生物資源として利用する際には,効率的にシロアリの個体数を増やす必要が生じる。 本研究は,シロアリの分化を制御するmiRNAを見出し,シロアリの幼虫(職蟻)から成虫(幼形生殖虫)への分化誘導を目標としている。本研究では,分化のキーとなる幼若ホルモン生合成に関わる遺伝子を制御するmiRNA候補を見出すことができた。
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