研究課題/領域番号 |
20K06172
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40020:木質科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
下川 知子 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (60353728)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | アカマツ / 針葉 / ヘミセルロース / アカマツ針葉 / 増粘多糖類 / 耐凍性 |
研究開始時の研究の概要 |
冬季でもしなやかさを保つアカマツ針葉がその柔軟性を保つ要因の一つとして、針葉に含まれるヘミセルロースの影響が考えられる。アカマツ針葉由来のヘミセルロースにはフィルム形成能が確認されており、粘性を示すその水溶液あるいは水懸濁液にはゲル化性能(保水性)が示されているが、凍結との関連性は不明な点が多い。アカマツ針葉ヘミセルロースの低温に対する物性変化を解明することで、低温環境においても柔軟性を保つ素材の創出が期待される。アカマツ針葉が冬季低温環境に耐える性質の一端を解明するとともに、アカマツ針葉ヘミセルロースの増粘多糖類としての有効活用を目指す。
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研究成果の概要 |
アカマツ針葉が冬季でもしなやかさを保つ性質に対するヘミセルロース成分の関与について知見を得るとともに、将来的なアカマツ針葉ヘミセルロース(AHC)の、とくに食分野での利用に向けた複合化物の物性変化を明らかにすることを試みた。AHCを添加することで凍結阻害が観察され、ゲルの硬さに温度変化が認められた。AHCを寒天やこし餡に加えることでより柔らかな物性に変化することが示された。アカマツ針葉の構成糖成分には季節変動が認められ、AHCが針葉のしなやかさや耐凍性に何らかの関与をなし、季節によってその性質を変えている可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
木質資源由来の多糖類であるヘミセルロースは、セルロースに比べて利用に対する取り組みが遅れている。これは、ヘミセルロースの構造の複雑さや入手の困難さ、知見の少なさが一因と考えられる。身近な森林資源であるアカマツ針葉には食経験があることから、アカマツ針葉より得られるヘミセルロース資源の付加価値利用は、将来的な食品分野を含む広範な展開が期待できる。また、アカマツへの関心を高めることは、生活環境の変化により荒れているアカマツ林への注目を促し、アカマツ林の環境整備促進への一助となり得る。さらに、その他樹木の葉の有効利用への展開が期待できる。
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