研究課題/領域番号 |
20K06177
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
塚越 英晴 岩手大学, 農学部, 助教 (30757688)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | サケ / 三陸 / 資源 / 遺伝特性 / 遺伝的多様性 / MIG-seq |
研究開始時の研究の概要 |
三陸岩手ではサケの回帰資源の減少が著しく,漁獲量の低迷が続いている.そのため,種卵確保が難航し,海産親魚を利用した種苗生産や種卵の人為的移動が生じており,遺伝的撹乱を引き起こすことが懸念される.加えて,サケ資源の持続的利用のために,本来の遺伝特性を考慮した資源管理や増殖戦略の改良が必要とされるが,遺伝特性に関わる新規的情報も少ない.そこで,本研究では,三陸岩手のサケを対象にMIG-seq法を用いて遺伝特性分析を行う.河川遡上集団の遺伝特性分析から,系群構造や遺伝的多様性を明らかにする.加えて,三陸沿岸漁獲集団の遺伝特性分析を行い,河川遡上集団の特性と比較して沿岸海域集団の資源の特性を推定する.
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研究成果の概要 |
三陸岩手の水産重要種であるサケの資源(種卵)管理単位や沿岸海域で漁獲されている資源の特徴を明らかにすることを目的として,当該地域の河川遡上集団や沿岸海域集団を対象にMIG-seq法を用いて遺伝特性分析を実施した. その結果,三陸岩手の河川に遡上するサケは沿岸前期群,沿岸後期群,および北上川水系といった3つの遺伝グループを有することや,沿岸海域集団は前期・後期といった漁獲時期に対応するまとまりを有することが明らかになった.加えて,前期の沿岸海域集団について,ほとんどの個体は沿岸前期群に含まれたが,少ないながら北上川水系や沿岸後期群と非常に近縁な個体も含まれていることが示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は岩手県の河川に遡上するサケや沿岸海域で漁獲されているサケ資源の遺伝特性の一端を明らかにした.得られた結果は,当該地域のふ化放流事業に係る種卵の管理について,地域や遡上時期を考慮した管理が重要であることを示唆している.また,前期に沿岸海域で漁獲されている資源の中にわずかながら沿岸前期群由来ではない個体も含まれている可能性が示された.本研究の成果は,三陸岩手のサケ資源の保全や持続的利用につながることが期待されるため,社会的インパクトも大きいと考えられる.
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