研究課題/領域番号 |
20K06191
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 福井県立大学 (2022-2023) 東海大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
武島 弘彦 福井県立大学, 海洋生物資源学部, 客員研究員 (50573086)
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研究分担者 |
安房田 智司 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 教授 (60569002)
橋口 康之 大阪医科薬科大学, 医学部, 准教授 (70436517)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 絶滅危惧種 / 集団ゲノミクス / 魚類 / リュウキュウアユ / アユ / 存続 |
研究開始時の研究の概要 |
絶滅が危惧される生物では,個体数の減少に伴い近親交配が生じ,遺伝的多様性の低下から絶滅リスクは加速する.ところが一部の絶滅危惧生物は,多様性が低いままで長期間存続してきた.全ゲノム比較分析から絶滅危惧生物が持つ遺伝的特性を解明できるが,魚類の研究は殆どない.絶滅危惧魚類のリュウキュウアユは,奄美大島のみに生息するアユの亜種である.島内の2 集団が,数万年の長期にわたり小集団かつ低い遺伝的多様性を維持してきた一方で,日本本土のアユは大集団で遺伝的多様性が高い.本研究では,リュウキュウアユの小集団とアユの大集団との比較ゲノミクスを行い,絶滅危惧魚類の存続に不可欠な遺伝的特性を明らかにする.
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研究実績の概要 |
絶滅危惧種では,近親交配に伴う遺伝的多様性の低下が絶滅リスクを高めるものの,絶滅危惧種の一部は長期間存続してきた.本研究では,魚類の絶滅危惧種,アユの亜種リュウキュウアユをモデルとして,(1)高深度で個体レベル,ならびに低深度で集団レベルのゲノム情報を解読する.(2)得られた個体/集団のゲノム・データについて,集団サイズの大きい日本のアユ集団との比較から,魚類ではほとんど進んでいない,絶滅危惧種の存続に不可欠な遺伝的特性の解明を目的としている.
第4年度である本年度は,(2)に関して,4つの地域集団,リュウキュウアユの奄美東部ならびに奄美西部,日本本土のアユと琵琶湖アユから得られた低深度データに基づき,比較集団ゲノミクス解析を進めた.これまでに,Tajima's Dや,塩基多様度の比較検討から,リュウキュウアユの2集団では,「生体防御」や「mRNAの品質管理機構」に関連する遺伝子が含まれるゲノム領域にて,「平衡選択」の影響下にあることが分かっていたが,新たに「グリセロ脂質の代謝」や「副甲状腺ホルモン合成」などに関わる遺伝子領域が平衡選択にあることが検出された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルスの感染拡大により生じた,初年度から第4年度までの計画の遅れを挽回するべくデータ解析を進めた.種々のデータ解析を実施できる状況は整っていたものの,解析の一部については次年度に繰り越すこととなり,研究成果のとりまとめが遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
データ解析から見いだされた,絶滅危惧集団に特徴的な遺伝的特性について,未着手のデータ解析手法の適用を進めて,さらに検討を進めると共に,研究成果のとりまとめを進める.
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