研究課題/領域番号 |
20K06204
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
佐野 菜採 三重大学, 生物資源学研究科, 学術研究員 (50636545)
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研究分担者 |
古丸 明 三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (10293804)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | アコヤガイ / 真珠 / 外套膜 / 殻体基質タンパク質 / 活性酸素分解酵素 / SOD / 真珠養殖 / 仕立て / RNA-seq / 貝殻形成タンパク質 / レクチン / 抑制 / 二枚貝 / 生体防御 |
研究開始時の研究の概要 |
真珠養殖では,母貝を挿核前に過密飼育する等して生理状態を抑制し,挿核に適した状態にする「仕立て」が行なわれている。「仕立て」により真珠品質が向上すると考えられているが,その反面,疾病に対する抵抗性が落ちることが知られている。真珠品質を保ちながら抵抗性を低下させ過ぎない「仕立て」を科学的に推定することは喫緊の課題である。貝殻基質タンパク質の分泌には挿核される母貝の生理状態が影響すると考えられるため,母貝の免疫抑制である「仕立て」が挿核後の真珠袋における貝殻基質タンパク質および真珠袋を取り囲む母貝の血球の遺伝子発現にどのように影響するか明らかにし,適正な「仕立て」とその指標を提示する。
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研究成果の概要 |
真珠養殖では,挿核前に母貝を過密飼育などで生理的な抑制をする「仕立て」という行程がある。本研究は,仕立ての指標を提示することを目的として行われた。仕立ての有無での外套膜の遺伝子発現の比較をRNA-seqにより行い,仕立てにより,msi31 やPrismarin-14の稜柱層形成に関連する遺伝子発現が低下し,活性酸素分解酵素(SOD)の発現が上昇した。しかし,これらの遺伝子の真珠袋での発現動態は仕立ての有無で顕著な差はなく,真珠品質の向上との関連は認められなかった。SOD活性も仕立てで変動することが分かり,指標の候補となることが考えられた。さらに,SODは夏季外套萎縮症での上昇も明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
挿核前に母貝を過密飼育などで生理的な抑制をする「仕立て」により真珠品質が向上すると考えられているが,その反面,疾病に対する抵抗性が落ちることが知られている。真珠品質を保ちながら抵抗性を低下させ過ぎない仕立ての指標を探索することを目的として,真珠形成に用いられる真珠袋を形成する外套膜組織でのいくつかの遺伝子の顕著な変動を明らかにした。その中でも,組織を採取せず,酵素活性として測定できる活性酸素分解酵素が指標となりうる結果を得た。また,この酵素が2019年から全国の真珠養殖場で問題となっている夏季外套膜萎縮症で上昇することを明らかにし,今後,この病気の問題解決に繋がる結果を得ることが出来た。
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