研究課題/領域番号 |
20K06205
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
木村 妙子 三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (40346002)
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研究分担者 |
川井田 俊 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 助教 (60743581)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | オカミミガイ科 / ウミニナ科 / キバウミニナ科 / カワザンショウガイ科 / 貝類 / 塩性湿地 / 腹足類 / 分布 / 成長 / 浄化能力 / オカミミガイ / 個体数調査 / 移動距離 / 浄化機能 / 生態系サービス |
研究開始時の研究の概要 |
ヨシ原のある塩性湿地は,多くの絶滅危惧種を含む貝類などの動物が生息し,水質浄化作用などの様々な生態系サービスを提供する重要な場所であると言われている。しかし,塩性湿地の生物活動が実際に水質浄化にどの程度貢献しているのかを定量的に検証した例はまったくない。そこで本研究では,三重県の伊勢湾西岸のヨシ原に多く生息する巻貝類について,安定同位体分析によりどのような餌を食べているのかを明らかにするとともに,それらの餌資源量の測定,室内飼育実験による各種餌に対する摂食量の算出,野外における生息個体数および季節別の摂餌活動の調査を通じて,これらの貝類の環境浄化機能を定量的に評価することをめざす。
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研究実績の概要 |
耐塩性植物が生息する塩性湿地には多くの絶滅危惧種を含む底生無脊椎動物(以下,ベントス)が生息し,水質浄化作用などの様々な生態系機能を有する重要な場所のひとつであると言われている。しかし,塩性湿地における生物活動が実際に水質浄化にどの程度貢献しているのかを定量的に検証した例はまったくないのが現状である。本研究では,三重県田中川干潟に優占するオカミミガイ科,ウミニナ科,キバウミニナ科,カワザンショウガイ科貝類について,浄化機能を明らかにするための分布と成長に関する基礎的な調査や実験を行った。まず,干潟全域の分布と生息個体数を推定するためにコドラート調査や全数調査を行い,環境を調査し,種別の分布特徴を明らかにした。また,ウミニナ科およびキバウミニナ科の成長を明らかにするため,干潟の3ヶ所において,個体識別した5種の野外飼育実験を17ヶ月にわたって行い,毎月の殻長を記録し,環境を調査した。また,カワザンショウガイ科貝類については,1年間にわたり干潟の22ヶ所において,コドラート調査を行った。分布調査の結果,推定生息個体数はフトヘナタリが最も多く,フトヘナタリが浄化機能において最も重要な種であることが示唆された。分布要因の解析の結果,フトヘナタリ,ヒラドカワザンショウ,カワザンショウガイ,クリイロカワザンショウはヨシ密度が選択され,生息地や餌場としてのヨシ原の重要性が示唆された。また,ウミニナ科,キバウミニナ科,カワザンショウガイ科貝類の成長を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は2022年春に行った干潟全体のカワザンショウガイ科の分布調査結果をもとに優占するヒラドカワザンショウ,カワザンショウガイ,クリイロカワザンショウの3種について個体群動態を明らかにした。月1回の定量調査を干潟内の22地点の定点で行い,その結果得られた試料について殻長を測定し,コホート解析により同時出生群の個体数変動や成長を明らかにした。また,2023年2月から10月の野外観察から,3種とも雄が雌の殻の上にマウントする交尾行動を観察した。これらの成果について,日本プランクトン学会・日本ベントス学会合同大会において,口頭発表を行った。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は,オカミミガイ科,ウミニナ科,キバウミニナ科,カワザンショウガイ科貝類の塩性湿地を含む干潟全域の分布特性,およびこれらの貝類の個体群動態について,これまでに得られた成果に関して,各種学会で発表をし,学術誌に投稿を行う予定である。
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