研究課題/領域番号 |
20K06218
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人水産研究・教育機構 |
研究代表者 |
伊東 尚史 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産技術研究所(南勢), 副部長 (70372050)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | VHSウイルス / 病原性 / 鰓上皮細胞 / ウイルス性出血性敗血症 / 病原性評価 / 上皮細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の主要養殖対象魚種及び日本在来魚種を対象にウイルス性出血性敗血症ウイルス(VHSV) 12種類の遺伝子型に対する人為感染試験(病原性パネル試験)を行い、どの遺伝子型のVHSVがどの魚種に病原性を示すのかを明らかにし、さらに、これら魚種の鰓由来上皮細胞を作製し、各遺伝子型VHSVの病原性と宿主由来鰓上皮細胞を通過する時間との関連を調べ、各遺伝子型のVHSVの病原性を鰓上皮細胞通過時間で未然に評価できるかどうか調べる。
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研究実績の概要 |
ウイルス性出血性敗血症(VHS)による被害が北半球の各地で大きな問題となっている。本疾病の病原体であるVHSウイルス(VHSV)はこれまでに50魚種以上から分離され、12の遺伝子型が報告されているが、異なる遺伝子型のVHSVが、どのような宿主特異性を示すのかについての詳細は知られていないため、新たな遺伝型が侵入した場合、どの魚種がどの程度被害を受けるのか予測がつかない。そこで本研究では各魚種由来の鰓上皮細胞におけるウイルス通過時間と感染試験による死亡率との関係を調べ、各遺伝子型VHSVの各魚種に対する病原性が対応する鰓上皮細胞の通過時間により評価できるかどうか調べた。 先ずVHSウイルスが鰓上皮細胞を通過する時間を測定する実験系を導入した。次いで淡水魚としてアマゴ,海水魚としてマダイに対し遺伝子型12種類のVHSウイルスの病原性を感染試験により調べた。アマゴへの試験おいて,陽性対照魚種であるニジマスでは遺伝子Ia型で50%の累積死亡率を示したが,アマゴのIa型の累積死亡率は10%であった。そこで,ニジマスとアマゴの鰓上皮細胞におけるIa型 VHSウイルスの通過をウイルス接種0,2,6,24,48,72時間後で調べたところ,ニジマスでは48及び72時間後では検出用のEPC細胞で細胞変性効果が観察されたが,アマゴでは72時間後でもCPEは観察されず,アマゴの鰓上皮細胞はニジマスそれに比べIa型VHSウイルスの通過時間が遅いことが示唆された。つまりニジマスとアマゴでは毒性を示すウイルス型と鰓上皮細胞のウイルス通過時間との間に関連性のある可能性が推察された。なお,マダイではいずれの遺伝子型でも死亡は観察されなかった。さらに世界的にVHSウイルスの診断に用いられているIP5B11抗体のエピトープを他のラブドウイルスのフルゲノム解析と合成ペプチドのドットブロット法により明らかにした。
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