研究課題/領域番号 |
20K06222
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
長澤 一衛 東北大学, 農学研究科, 助教 (50794236)
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研究分担者 |
横井 勇人 東北大学, 農学研究科, 助教 (40569729)
尾定 誠 東北大学, 農学研究科, 教授 (30177208)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 貝類 / 造血機構 / 幹細胞 / シングルセル解析 / 遺伝子改変 / プロモーター / 強制発現系 / 二枚貝 / 遺伝子導入 / 水生無脊椎動物用プロモーター |
研究開始時の研究の概要 |
貝類養殖はサステイナブルな海面養殖生産であり世界的な増加傾向にある。私は貝類の種苗生産技術向上に寄与すべく、生殖細胞形成における血球の機能を研究している。貝類の血液は、酸素や栄養の運搬、生体防御、傷の治癒の機能を有するとされている。しかし「貝類の血球は何種類あるか?」また「血球がどこで造られどのように分化するか?」は未だに解明されていない。本研究では、貝類血球のシングルセル解析により、遺伝子発現パターンから血球のタイプ分けを試みる。さらに遺伝子改変技術を確立し、生きた血球で緑色蛍光タンパク質を発現させ可視化することで貝類の造血機構の解明に挑む。これを起点とし貝類の生殖細胞形成機構の謎に迫る。
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研究成果の概要 |
造血機構と血球分化機構の解明のため、ホタテガイ血球の細胞学的解析とバルクRNA-seq解析を実施し、新規二枚貝血球マーカーで免疫細胞としての血球を明瞭に可視化した。さらにシングルセルRNA-Seqによりホタテガイ血球を10種類の細胞集団に細分化した。次に、二枚貝類で遺伝子改変技術を開発するため、海産二枚貝類の複数種に最適化されたマイクロインジェクション装置を構築し、受精卵にGFPを発現させることに成功した。さらにホタテガイ初代培養細胞と二枚貝細胞で高発現する新規ウイルスプロモーターを発見し、エレクトロポレーションを用いた培養細胞への遺伝子導入に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、日本の重要な養殖対象種であるホタテガイの生体防御の要である血球について、細胞学的特徴や免疫細胞としての性質を初めて明らかにし、水産増養殖業の防疫対策に資する成果を得た。さらにこれまで、遺伝組換え等の技術が全く開発されてこなかった二枚貝に対し、本研究では外来遺伝子を強制的に発現させることが可能な新規ウイルスプロモーターを発見した。以上、本研究の成果と開発された技術は、二枚貝や他の軟体動物の遺伝子工学を大きく発展させるものであり、学術的に重要な成果である。
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