研究課題/領域番号 |
20K06243
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
森友 忠昭 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (20239677)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 魚類 / 獲得免疫 / ワクチン / 免疫細胞 / 免疫 / 細胞移植 / 遺伝子組換え魚 / 液性免疫 / 細胞性免疫 / 獲得免疫機構 / ヘルパーT細胞 / B細胞 / リンパ器官 |
研究開始時の研究の概要 |
本申請では,我々が新に開発した“緑色蛍光タンパク質遺伝子(GFP)を全身に発現させたGFP-トランスジェニック・クローンギンブナ(GFPクローン)を用いる.すなわち,特定の抗原で感作したGFPクローンの白血球からヘルパーT細胞,キラーT細胞,B細胞などの各種リンパ球を分離(または除去)し,これらを組み合わせて,野生型の同系クローン(非GFPクローン)に移植する.その後,これら細胞移植により非GFPクローンに獲得免疫が伝達されるのか,また,GFP陽性リンパ球が非GFPクローンのどの器官や組織に移動・定着し,さらに,再度の抗原感作で.どこで増殖するのか等を調べる.
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研究成果の概要 |
三倍体ギンブナ(Carassius auratus langsdorfii) は雌性発生にて子孫を残すため,一尾の母親由来の子孫はすべてクローンと考えられる.今回,我々はGFP遺伝子組換えギンブナ(GFP魚)を作製し,真骨魚類の造血・リンパ器官である腎臓からGFP陽性白血球を分離し,野生型ギンブナに移植した.移植180日後に野生型ギンブナの血液白血球を調べたところ,赤血球以外の血球(顆粒球,リンパ球,単球)がGFP陽性血球に置き換わっていた.これらから,GFPギンブナをドナーとして野生型をレシピエントとする移植実験系を用いることにより,造血幹細胞や免疫細胞の機能解析に有用であることを示す.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
真骨魚類の免疫系は哺乳類の免疫系と似ている.例えば,真骨魚類もヘルパーT細胞,キラーT細胞,B細胞そして免疫グロブリンなどを有する.しかし,真骨魚類は変温動物であり,低温では免疫記憶も形成されない.また,真骨魚類にはリンパ節に相当する抹梢リンパ器官も存在しないなど,異なるところも多い.今回,我々が作製したGFPクローンギンブナの血球は野生型のギンブナに細胞移植しても,拒絶反応を起こさず,自らの白血球と同様に機能できた.これらのことは,獲得免疫系を構成する細胞の体内動態や免疫記憶の存在証明などの解明に役立つと考えられる.このように本研究は従来にない,新たな研究手法を魚類免疫分野に提供できる.
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