研究課題/領域番号 |
20K06244
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
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研究機関 | 日本大学短期大学部 (2022) 日本大学 (2020) |
研究代表者 |
難波 亜紀 日本大学短期大学部, その他部局等, 助教 (20445737)
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研究分担者 |
間野 伸宏 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (10339286)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ニホンウナギ / レプトセファルス / 人工種苗 / 原虫症 / Caecitellus属 / 完全養殖 / 疫学 / 養鰻 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ニホンウナギの完全養殖研究に取り組む研究施設で飼育されていた人工レプトセファルスで発生し、深刻な被害をもたらした不明病の病原体特定を目的とする。これまでの解析により、鞭毛虫Caecitellus属に起因する原虫症であると推定されていることから、種の特定や病原性証明を行う。また、病原体の検出・定量法を確立し、種苗施設の疫学調査や治療・予防法を確立することで、ニホンウナギの完全養殖の大量生産技術の開発への貢献を目指す。
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研究成果の概要 |
二ホンウナギレプトセファルスの人工種苗研究施設において発生したCaecitellus属原虫の28SrDNAの塩基配列を決定し、3種に分類されることを明らかにした。また、得られた塩基配列情報を基に、Caecitellus属原虫特異的PCR法および定量PCR(qPCR)法を確立した。確立した両手法を用いて疫学調査を行った結果、親魚水槽に本原虫が多く分布しており、かけ流しで集卵することによりその量を大幅に減らすことができることを示した。また、親魚水槽から分離されたVibrio属細菌を餌料細菌として使用することで、Caecitellus属原虫をin vitro培養することができることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、二ホンウナギレプトセファルスの生産過程において甚大な被害をもたらすCaecitellus属原虫の診断・検出系を確立した。また、海面に接する種苗施設は本原虫病の感染リスクがあることも示すことができた。本原虫は、特定の餌料細菌を加えることでin vitro培養が可能であり、今後、有効な消毒法や治療法の確立に繋げていくことが期待される。二ホンウナギの完全養殖の実用化は、まだ道半ばであり、本研究の成果は、魚病の発生リスクに備えた人工レプトセファルスの飼育施設や飼育技術開発に寄与し、ニホンウナギの完全養殖に関する研究活動の安定化をもたらすものである。
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