研究課題/領域番号 |
20K06252
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41010:食料農業経済関連
|
研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
岩本 博幸 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (90377127)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 消費者行動 / 倫理的消費 / 家畜福祉 / 動物倫理 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,農畜産物の多様な消費行動の背景に存在する意思決定方略のうち,畜産物選択行動における環境倫理と動物福祉に関連する意思決定方略に着目し,それらが消費選択行動においてどのような影響を及ぼしうるのかを社会心理学,応用倫理学の知見を取り入れた定量的な分析を試みることにある. 具体的には,日常における倫理的な判断を伴う場面での意識・行動に関するサーベイデータおよび畜産物の消費者選択行動に関するサーベイデータを収集し,倫理学説に依拠した類型化,意識と行動のパス解析,選択実験による消費者選択行動モデルによる畜産物消費者評価への影響の定量的分析を試みる.
|
研究成果の概要 |
本研究の目的は,農畜産物の多様な消費行動の背景に存在する意思決定方略について社会心理学,応用倫理学の知見を取り入れて定量的に明らかにすることにあった。 主な研究成果は以下の3点である。第1に畜産物消費への「生命倫理的抵抗感」および環境に悪影響との認識「環境破壊的評価」を示す消費者の組織培養肉のWTPは高まる。第2に社会心理学における環境配慮行動の規定因と同様の因子構造が動物福祉に関する意思決定方略に存在する。第3に伝統的倫理学説に依拠して消費者のアニマルウェルフェア畜産物への消費背景を定量的に分析した結果,「手段的価値の重視」「苦痛軽減の重視」「生命中心主義的価値の重視」が因子として存在する。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的な意義として,畜産物消費の背景に存在する心理的な要因について社会心理学および動物福祉の倫理学の観点から定量的に解明を試みた点が挙げられる。少なくとも農業経済学領域においては本研究が初めての成果であり,社会心理学,倫理学の学際的な知見を用いた成果であることの意義も大きい。社会心理学的,倫理学的な接近による成果により,動物福祉に配慮した畜産物が消費者のどのような意識から支持され,または阻害されているのかを定量的に示したことにより,今後の普及啓発に大きな示唆を与える社会的意義がある。
|