研究課題/領域番号 |
20K06256
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41010:食料農業経済関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
木南 莉莉 新潟大学, 自然科学系, 教授 (40272132)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 共有価値創造 / LCA(潜在クラス分析) / 混合研究法 / 組織学習 / 農業の多面的機能 / クリエイティブクラス / 進化ゲーム理論 / 日中比較分析 / 認知革新 / 創造的思考 / ソーシャルビジネス / 社会的起業家精神 / 市場創造型イノベーション / TEM(複線経路・等至性モデル) / SEM(共分散構造分析) / 屋上農園 / 都市農業 / 企業家精神 / 共有価値の創造 / 持続性と革新性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本国内の都市を対象に社会的企業家精神が都市農業ビジネスを通じて、地域の課題を解決し、共有価値の創造を引き起こすメカニズムを明らかにすることを目的とする。また、分析結果の踏まえて、社会的企業家精神が都市の持続性に与える社会的インパクトの評価モデルを作成することによって政策提言を試みる。
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研究実績の概要 |
本研究は、日本国内の都市を対象に社会的起業家精神が都市農業ビジネスを通じて、地域の課題を解決し、共有価値の創造を引き起こすメカニズムを明らかにすることを目的として研究を進めている。今年度に進めた研究内容は大きく2点に分けることができる。 第1に、農業者(都市と農村)へのアンケート調査結果を分析し、日本の農村における共有価値の創造を通じた持続可能な農業開発におけるクリエイティブ・クラスの役割を明らかにした。具体的には、潜在クラス分析(Latent Class Analysis: LCA)を適用した結果、日本の農業者は4つのクラスに分けられ、クリエイティブ・クラスが一定程度存在することを示した。そして、構造方程式モデリング(Structural Equation Modeling: SEM)と認知マップ分析を適用し、これらのクリエイティブ・クラスは、起業家精神に富み、農業の多面的機能を高く評価し、持続可能性を重視した政策を選好し、共有価値の創造(CSV)を追求していることを明らかにした。また、農業における共有価値創造の理論モデル分析、社会起業家精神に対する質的分析、進化ゲーム理論を用いた共有価値創造への協力行動のモデル分析を進めた。 第2に、屋上農園(東京都内)の運営実態に関する現地調査、革新的な都市農業(中国)の事例資料の収集・分析を進めた。また、混合研究法アプローチを用いて、日本と中国の都市農業のソーシャル・ビジネスを比較しつつ、都市農業におけるステークホルダーの組織学習を通じた認知革新と共有価値創造を創出するメカニズムを分析し、その成果を英文書籍として出版した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究成果は予想通り生み出されている。なお、新型コロナの感染拡大防止のため、当初計画した通りの現地調査は一部しか実現できなかったが、計画を一部見直すことで順調に進展させることができた。
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今後の研究の推進方策 |
①共有価値創造に取り組むフードシステムの関連事業者(米粉関連)に対するアンケート調査の潜在クラス分析(LCA)および質的比較分析(QCA)、ケーススタディを行う。 ②ロングテール市場戦略を明示的に反映した共有価値創造の理論モデルを構築し、実態分析への適用及び政策的含意の整理を進める。 ③都市農業・フードシステムをめぐるステークホルダーに対するアンケート調査を実施する。 ④研究成果の積極的発信(日本語・英語)を行う。
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