研究課題/領域番号 |
20K06262
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41010:食料農業経済関連
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
小野 洋 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (40446480)
|
研究分担者 |
菅野 洋光 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境研究部門, 再雇用職員 (30355276)
野口 真貴子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (30459672)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 気候変動 / 生活環境 / 水質汚染 / 栄養摂取 / 南太平洋 / ラニーニャ / 後発開発途上国 / 地球温暖化 / SDGs / 栄養改善 / 途上国 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、地球温暖化による直接・間接の影響の把握、要因間の相互作用の解明及び改善策の提示にある。 そのため、国土の大部分が海抜2-3メートルにある南太平洋環礁国のキリバス共和国を対象として、農業経済学、保健学、気象学の研究者が、1.気象データ(気温・降水量)の収集と分析、2.生活環境(水質・栄養)実態の把握と評価、3.生産野菜供給のための農業生産システムの構築に学際的に取り組む。
|
研究実績の概要 |
本年度はコロナ禍が明けて、本研究課題実施以来初の現地調査を2回(2023年8月、2024年1月)実施することができた。関連して学会報告を複数実施した。 以下、本年度の実績について2点整理する。なおこのほかにも、気象データを用いたエルニーニョ・ラニーニャの影響を分析している。 1点目は生活用水、水道整備についての現状調査とその整理である。キリバスは森林や河川がなく、土壌の淡水保持力はきわめて脆弱であり、生活排水が浄化されることなく地下に浸透する。この汚染された地下水利用による健康被害等が問題となっていた。さらに、盗水(配管に穴を空ける)とそれに伴う漏水、汚染水混入による水質悪化が頻発していた。ラニーニャ下での降雨不足と渇水が続いた2022年6月、政府は水に関する非常事態宣言を発出し、水道利用を3日に1日に制限した。結果、水道利用者が急増し(宣言前36%→宣言後62%)、汚染はさらに深刻となった。こうした状況を受け、2022年秋、水道再整備がニュージーランド等の援助によって行われた。具体的には、首都3箇所(将来的には6箇所)に海水淡水化装置を導入し、これを水道水として配水する。水道水向けの地下水くみ上げを従来の1/3に減らし地下水源を保全する。さらに、水道料金を無料とするものである。水道料金を無料とし住民に開放したほうが望ましい、という判断は、盗水やそれにともなう水質悪化が深刻であったことの証左である。 2点目は、首都住民に対するBDHQ及びCES-Dアンケートである。社会条件及び生活環境下での生活が住民にもたらす影響について、食生活、栄養状態、精神状態についての本格的な調査を実施した。アンケート調査は、2024年1月から2月にかけて実施し、現在分析を進めているところである。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍にあって、研究開始以降は文献調査とオンライン調査が主であったため、過年度は「遅れている」としていたが、2023年度は本格的調査をようやく実施できた。但し、研究計画で予定していた回数の訪問ができていない。追加的な情報収集を実施するため研究期間を延長することとした。 以上より「やや遅れている」と判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究課題でメインとしていたアンケート調査を2023年度に実施した。現在はこの結果を整理、分析中である。夏頃までには一定の整理をし、アンケート結果における疑問点等について現地での追加調査を実施し、秋には学会報告及び論文投稿を実施する。
|