研究課題/領域番号 |
20K06264
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41010:食料農業経済関連
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研究機関 | 桃山学院大学 |
研究代表者 |
菊地 昌弥 桃山学院大学, ビジネスデザイン学部, 教授 (30445689)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 開発輸入 / 冷凍野菜 / 新興産地の開拓 / 市場構造 / 企業行動 / エクアドル / 中国 / 主体間関係 / 安定調達 |
研究開始時の研究の概要 |
冷凍野菜の開発輸入先国として最大規模の中国との貿易において、2010年頃より日本側の主体間関係が弱体化している。そうしたなか、本研究では伝統国中国と同年以降に新興国として台頭してきたエクアドルを対象に、大手開発輸入業者が市場構造に対応したどのような企業行動を講じることで、わが国の食品産業で必要とされる商品を安定的に調達しているかの現状をマーケティング論やフードシステム論の知見から解明すると共に、その行動を生産性やクレーム率等の成果に関する定量的な指標を用いながら分析し、学術的知見から意義あるものかを明示することを目的とする。本研究は開発輸入の在り方や方向性を問う重要かつ根幹的なテーマである。
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研究実績の概要 |
本研究では伝統国中国および同年以降に新興国として台頭してきた南米エクアドルを対象に、冷凍野菜開発輸入業者が市場構造に対応したどのような企業行動を講じることで、わが国の食品産業で必要とされる商品を安定的に調達しているかの現状を、マーケティング論やフードシステム論の知見から明らかにすることを目的としている。具体的な課題は、①中国で講じている市場構造に対応した企業行動の具体的内容とその意義(有益さ)の解明、②エクアドルで講じている企業行動の具体的内容とその意義(有益さ)の解明、③冷凍野菜の開発輸入に関する展開方向の取りまとめ、の3つである。 2023年度は、主として上記①に関する課題に取り組み、市場構造の変化に関する考察を行った。IHS Markit「Global Trade Atlas」等より、人件費と近年の中国産冷凍野菜の輸出単価の関係性に焦点を当てると、加工を伴う商品の特性上、総費用のうち人件費が無視できないなか、それが一貫して高騰しているにもかかわらず、日本向け主要品目の輸出単価が2014年前後から上昇傾向に歯止めがかかり、横ばいで推移していることを明らかにした。そして、この変化により、中国産は依然として他国産と比較して価格的優位性を維持し続けている。その結果、2022年には50万t(同年のシェア:46.8%)の大台を初めて超える形で過去最高水準を更新した。また、上記の事象の一因として、開発輸入業者の指導機能が関与していた事実を調査結果から確認すると共に、考察対象となる企業行動として、製造工程における前選別工程と洗浄工程に絞り込む作業を実施した。さらには、課題③に関するものとして、輸入量が増加するなか、国内ではどのようなチャネル戦略を講じているのかにも焦点を当てて研究を行った。これは、当初の研究計画時点では想定できていなかった内容であるが、研究を進めていくなかで必要性を感じ、着想に至ったものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
上記②の課題は終えたものの、①と③の課題の半分が残っており、進捗が遅れている。この理由は2つある。1つは、コロナ禍において現地調査ができなかったため、課題①で分析対象とする企業行動の絞り込みに大きく時間がかかってしまったことがあげられる。そしてもう1つは、研究を進めていくなかで課題③として何をどのように取りまとめるのかの枠組みの設定に時間がかかっていることがあげられる。
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今後の研究の推進方策 |
上述の通り、企業行動の絞り込みに時間がかかってしまったものの、当該事案に関する最低限のデータは入手出来ているので、上記①の課題の残り半分にまずは取組む。そして、ある程度形になった際には、個別に研究会を開催・発表し、業界に詳しい専門家や研究者からフィードバックを受ける。その後、ブラッシュアップを行ってから学会誌へ投稿し、査読者からもコメントを貰うように取り組む。また、今年度下半期には上記課題③の残り半分に着手し、研究全体の完成を試みる。
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