研究課題/領域番号 |
20K06301
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41030:地域環境工学および農村計画学関連
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研究機関 | 石川県立大学 |
研究代表者 |
高瀬 恵次 石川県立大学, 生物資源環境学部, 客員教授 (90133165)
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研究分担者 |
藤原 洋一 石川県立大学, 生物資源環境学部, 准教授 (10414038)
佐藤 嘉展 愛媛大学, 農学研究科, 准教授 (90414036)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 積雪・融雪 / 温暖化 / 森林 / 適応策 / 水資源 / 気候変動 / 森林水文 / シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
温暖化によって森林流域の積雪量が減少し、融雪時期も早まることで春先の水資源が不足すると予想されている。日本では国土面積の約7割を森林が占めるため、森林管理によって流域内の積雪を少しでも緩やかに融雪させることができれば、春先の水資源確保として有効な手段となり得る。本研究では、森林内のギャップ、列状間伐などによる林内開空地と均一な森林内での積雪・融雪過程の違いに着目し、どの様に森林施業すれば貯雪・融雪遅延機能が高まるのか、森林施業によって水が多く必要な代かき期の河川流量をどのくらい増やせるのかを調べる。これにより、森林施業が温暖化による積雪減少に対する適応策となり得るのかを解明する。
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研究成果の概要 |
森林内外の消雪日の差(ΔSDD)に着目したメタ解析を行ったところ,日本はΔSDDがプラスにもマイナスにもなり得る地域であり,冬期平均気温が異なれば,貯雪・融雪遅延機能が発揮される森林構造も変化することが分かった.また,森林内外の積雪・融雪観測からは,暖候地における森林流域では森林の強度間伐を行い,疎林を形成することで森林の貯雪・融雪遅延機能の発揮が期待できると考えられた.さらに,石川県手取川流域における積雪・融雪をシミュレーションしたところ,上流域の森林は貯雪・融雪遅延機能を発揮しているが,林内の積雪は気温変化の影響を受けやすく,将来的には森林の貯雪・融雪遅延機能は低下することが示された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在,貯雪・融雪遅延機能を発揮している森林であっても,林内の積雪は気温変化の影響を受けやすく,将来的には森林の貯雪・融雪遅延機能は低下する可能性が高い.この様な暖候地における森林流域では森林の強度間伐を行い,疎林を形成することで森林の貯雪・融雪遅延機能の発揮が期待できると考えられ,これらの情報は水源林としての森林づくりを進めるのに際して活用されることが期待される.
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