研究課題/領域番号 |
20K06309
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41030:地域環境工学および農村計画学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
吉本 周平 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究部門, 上級研究員 (10435935)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 水資源 / 南西諸島 / 涵養年代推 / カルスト水文学 / 水文地球化学 / 涵養年代推定 / 地下水年代測定 |
研究開始時の研究の概要 |
水文地球化学的な手法によって洞窟を通過する地下水の流れ(パイプフロー)に起因する地下ダム残留塩水の挙動を解明し,その知見に基づき地下水モデリング手法を開発する.具体的には:a)溶存酸素濃度を指標としてパイプフローを検知して塩水塊の挙動への影響を明らかにする,b)六フッ化硫黄を指標とした地下水滞留時間の推定によって貯留域での地下水の流れを把握するとともに止水壁や基盤を浸透した海水による影響の有無を判断する,c)パイプフローを考慮した地下ダム地下水流動モデルを構築して現地観測データで検証し,将来予測される降水量や水利用の変化を入力としてシミュレーションを実行し塩水分布の将来変化を推定する.
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研究成果の概要 |
琉球石灰岩を帯水層とする地下ダム貯留域の地下水の流れについて、洞窟などの空洞ネットワークを通過する速い地下水の流れ(パイプフロー)が存在し、地下水涵養年代や方解石飽和度に関連する水質によってパイプフローの影響圏にある地下水を判別できることが示された。また、気候変動に伴う降雨パターンの極端化が地下ダム水資源に与える影響を評価するために、パイプフローを考慮した地下ダム水収支モデルを構築した。その結果、海へ直接流出するパイプフロー流出量が増大し,利用可能な水資源の量が減少する可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で得られた地下ダム貯留域の地下水流動状況に関する知見は、地下ダム水資源の水質保全、とりわけ沿岸部に設置された地下ダムの残留塩水の挙動や地下水中の硝酸性窒素の消長に関する理解に資するものであり、地下ダム水資源の保全施策に貢献することが期待される。また、地下ダム水資源への気候変動の影響評価によって、農業用水資源への気候変動影響の全国評価への貢献とともに、今後の地下ダムの水資源管理手法の検討にも役立てられると期待される。
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