• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

植物の根は高濃度塩水湛水栽培にどのように順化するのか?

研究課題

研究課題/領域番号 20K06312
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分41040:農業環境工学および農業情報工学関連
研究機関岩手大学

研究代表者

松嶋 卯月  岩手大学, 農学部, 准教授 (70315464)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
キーワードhydraulic lift / 塩水の農業利用 / 海水 / 耐塩性 / 植物水分生理 / 毛管上昇 / 根の生理的活性 / 効率的水利用
研究開始時の研究の概要

毛管が発達しない培地を用いて濃度3%の塩水でコマツナを湛水栽培したところ,根を介したhydraulic lift現象により塩水を湛水した培地下部から上部に水が輸送された.この結果,培地上部に塩濃度の低い水分領域が形成され,根の発達や地上部の生長を支えた.高濃度塩水に適応したコマツナ葉は,形状が変化し浸透ポテンシャルも大幅に低下した.直接塩水に接する下部の根や接しない上部の根では,それぞれ順化や機能分化が起こると考えられるが,根の経時的な観察は困難で,それらの過程は明らかになっていない.本研究では,コマツナ根が高濃度塩水に順化・機能分化する一連の過程を詳細に観察し,そのメカニズムを解明する.

研究成果の概要

培地表面の可視画像から培地内水分布の経時変化を調査した結果,塩水湛水区の培地の湿潤域は,毛管上昇高さより4cm高く,Hydraulic Liftで乾燥した培地へ水が再配分されていた.塩水湛水培地内の水分・塩分分布と根分布の関係では,含水率が高く生存している根がその周囲にhydraulic liftで水を再配分しており,塩水処理区の湿潤域には対照区と比較して太い根が確認され,その太い根がHydraulic Liftによって形成された根域,もしくはHydraulic Liftによって水を再配分した.酸素消費速度は呼吸活性のパラメータであり,塩水処理区と対照区では根の生理的状態が異なっていた.

研究成果の学術的意義や社会的意義

高濃度塩水湛水栽培において植物がhydralic liftで水を再配分し根系を健康に保つ現象現象は,砂漠で巨木がオアシスを形成するのと同じ原理であると考えられる.すなわち,本研究で更にメカニズム解明が進んだもみ殻培地を利用した高濃度塩水湛水栽培を応用すれば,わずか20cmほどの厚さの培地で,巨木の深根が行うhydralic liftで成り立つ砂漠のオアシス形成と同様の現象を可能にする新栽培技術は社会的意義が高い.
植物が塩水湛水栽培に順化するメカニズムは,これまでの研究例が少なく新規性が高い.そのメカニズムを解明し,植物の塩ストレス抵抗性の獲得について新たな知見が得られたことは学術的に意義深い.

報告書

(4件)
  • 2022 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] 有機質資材を含む土壌中における植物根の中性子イメージング2023

    • 著者名/発表者名
      松嶋卯月(岩手大),伊藤大介,大平直也,齊藤 泰司(京都大)
    • 学会等名
      日本農業気象学会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 根のhydraulic lift現象は養液中成分を栽培土壌へ移動させるか?2022

    • 著者名/発表者名
      松嶋卯月,佐藤拓弥(岩手大)
    • 学会等名
      日本農業気象学会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 根の hydraulic lift 現象は養液中成分を栽培土壌へ移動させるか?2022

    • 著者名/発表者名
      松嶋卯月,佐藤拓弥
    • 学会等名
      日本農業気象学会 2022 年全国大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 塩水で湛水栽培されたコマツナ葉の水ポテンシャル調節機能2021

    • 著者名/発表者名
      松嶋卯月,篠田早紀,庄野浩資
    • 学会等名
      日本農業気象学会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-01-30  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi