研究課題/領域番号 |
20K06315
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41040:農業環境工学および農業情報工学関連
|
研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
窪田 陽介 福島大学, 食農学類, 准教授 (40535267)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
|
キーワード | ロボットトラクタ / 視線解析 / 同時作業 / 作業能率 / 注視時間 / 同時・協調作業 / 協調作業 |
研究開始時の研究の概要 |
日本農業は,農業従事者の高齢化や新規就農者の減少,耕作放棄地の増加など多様な問題を抱えている中で,「スマート農業」が,これらの問題を解決する大きな鍵として注目を集めている。その中でもロボットトラクタを活用する有人-無人トラクタによる同時・協調作業は,1人当たりの作付け可能面積を倍増し,労働力不足の解消と生産コストの大幅な削減に貢献することが期待されている。 そこで本研究では,有人-無人トラクタによる同時・協調作業時の作業オペレータの視線計測を行い,画像解析および深層学習により視線パターンモデルを構築し,それらの結果を基として,同時・協調作業における安全かつ効率的な作業パターンを提案する。
|
研究実績の概要 |
本研究では,ロボットトラクタを用いる作業の効率化,安全性などに資するデータの計測を目的として,2019および2020年度に実施した複数ほ場を有人と無人トラクタの2台で同時に作業を行う実証試験の際に計測したデータを基に、オペレータの作業習熟度の検証とオペレータの視線解析を行った。 その結果、オペレータの作業習熟度については、2019年度の2台同時作業における作業能率が35.7a/hに対して、2020年度は48.1a/hと作業能率が向上した。これは、手動運転時の旋回、枕地作業の作業速度が大幅に短縮されたことに起因する。2019年度が1回旋回平均時間が32秒、枕地作業が2,715秒に対して、2020年度は18秒、1,593秒となった。この結果より、年次間によるオペレータの2台同時作業における作業習熟が確認された。 2021年度は外周作業時の視線解析を実施した。この際の視対象は、ロボットトラクタ、トラクタの前方、左右方向、サイドミラー、計器等とし、注視については100ms以上同じ視対象に停留している状態として解析を行った。その結果、2台同時作業全体の70%以上で前方およびサイドミラーを注視しており、ロボットトラクターの注視時間の割合は3%程度となった。これは、有人トラクタの遠方および後方にロボットトラクタがある場合は、注視することが困難であることが1つの原因と考えられる。また、正面、側面にロボットトラクタがある場合は、視界内に留めている割合(正面:86%、側面:76%)は多いが、注視時間の割合は、正面、側面時においても10%未満であることが確認された。 2022年度は、外周に加え、内周作業の視線解析を行ったが、データ量が膨大であり、解析に時間を要し、結果をおまとめるに至らなかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
内周作業の解析をまとめられていないため。 また、学会発表は行ったものの、関連学会に論文投稿がなされていないため。
|
今後の研究の推進方策 |
外周および内周作業の視線解析データを基として、ロボットトラクタ協調作業における作業パターンの提案を行うことを計画している。
|