研究課題/領域番号 |
20K06316
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41040:農業環境工学および農業情報工学関連
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
岡山 毅 茨城大学, 農学部, 教授 (90575226)
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研究分担者 |
望月 佑哉 茨城大学, 農学部, 講師 (30805007)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 三次元解析 / イチゴ / 深度カメラ / フォトグラメトリー / コンピュータグラフィックス / 成育モデル / 植物モニタリング / 植物栽培 / スマート農業 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、安価な深度センサ(三次元カメラ)の普及などで三次元計測技術のハードルが劇的に低下し、農業分野における三次元情報の利用例が増えてきた。一方で、コンピュータグラフィックス(CG)技術の進歩が著しく、植物のような複雑な対象物においても、生長や環境応答を動的に表現することが可能になってきた。そこで本研究では、三次元計測で得られた情報をもとに、植物形状変化(生育、水ストレス、病害虫などによる影響)を三次元的かつ定量的に評価するモデルの構築を試みる.このモデルは,スマート農業で課題であった「生産者が植物をどのように認識しているのか」を解明する足がかりとなる。
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研究実績の概要 |
2020年度には、屋内栽培システムの準備、深度カメラによるイチゴ植物モニタリング実験およびイチゴ植物の水ストレス応答の三次元解析予備実験を実施した。深度カメラは2種類のタイプ(RealSense D415とD435)を試し、ノイズと欠損データの過多からD415のほうが植物モニタリングに適していることを見出した。またD415を用いたイチゴ植物の水ストレス応答実験では、深度カメラによってイチゴ植物の形状変化(特に葉)や葉面の法線ベクトル分布の変化から水ストレスの早期検出につながる知見を得た。 2021年度には、フォトグラメトリーを用いて、2020年度に実施した実験を再実施した。フォトグラメトリーは、写真からの距離や形状情報を計測する手法であり、より詳細な三次元データの取得が可能である。この手法を導入し、イチゴ植物の成長に関する情報をより精密に把握することができた。また、得られた三次元データから、基礎的なイチゴの静的三次元モデルを構築した。 2022年度には、過去のデータをもとに、イチゴ植物の成長と動きを表現可能な動的な三次元イチゴ植物モデルを試作した。具体的には、点群(点の集まり)からメッシュ(面)を作成する手法の選定を行い、さらにコンピュータグラフィックス(CG)分野でCGモデルのアニメーションに用いられるリギングの考え方を応用し、葉の成長によるサイズの変化や、水ストレスによる形状を連続的かつ、動的に表現可能な要素を組み込んだ。 このモデルは、人間が行っている視覚情報からの植物生育診断の自動化につながる知見だと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
イチゴの三次元モデリングが当初想定したよりも複雑であったために、予定したスケジュールに沿って作業を進めることができなかった。また収集したデータを論文としてまとめるための時間を確保することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、前年度までに収集したデータをまとめるとともに、施策した三次元モデルを改良し、それらを学会等で広く共有するとともに、論文としてまとめることに注力する。
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