研究課題/領域番号 |
20K06317
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41040:農業環境工学および農業情報工学関連
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研究機関 | 名古屋大学 (2021-2022) 東京大学 (2020) |
研究代表者 |
杉田 亮平 名古屋大学, アイソトープ総合センター, 講師 (60724747)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 放射線イメージング / 放射線検出 / ライブイメージング / シンチレータ / 植物栄養 / RIライブイメージング / β線 |
研究開始時の研究の概要 |
RRISの撮影原理は、植物体内から放出される放射線をシンチレータにより可視光に変換し、その可視光をCCDカメラで撮像するものである。これまでは板状シンチレータに植物を固定して撮影を行ってきた。一方でレタスの葉は湾曲している上、表面が凹凸状である。そのため複雑な形状となるレタスを二次元的に板へ固定するためには葉を圧迫させる必要があり、固定により葉が大きく損傷する。またシンチレータとの接触面積が小さく、感度、解像度、および定量性が低下する。そこで本研究では、粉状シンチレータをレタス葉に塗布することで負荷をかけることなくレタス葉とシンチレータとを密着させる新しいイメージング手法の開発を行う。
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研究実績の概要 |
本研究では、これまで様々な化合物から新規シンチレータの探索を行い、有力なシンチレータを多数発見してきた。発光波長は放射線検出器の感度域のピークに近い440nm付近であり、多くの放射線検出器における高い検出効率が期待できる。既存のシンチレータには、無機・有機による化学性、固体・液体の形状など個々の特性に合わせた様々な製品が開発されているが、本研究の新規シンチレータはそのどのタイプにもなりうる可能性がある。なお、放射線検出の中で最も汎用的な手法の1つである液体シンチレーションカウンターに用いられる液体シンチレータへの実用化に向けた実験を主に進めているところである。現在、特許申請を行っており、いくつかの企業から高い関心を得ていることから、国際特許(PCT出願)も手続きを進めているところである。本研究による新規シンチレータは、化学構造などを柔軟に変えられるため状況に応じた改良が可能であり、様々な実用化が期待されている。 既存のシンチレータは、溶媒や溶質の濃度等の最適化により高いパフォーマンスを得られている。一方で本研究による新規シンチレータは、溶質単体でのシンチレータ能は優れているものの、溶媒との最適化には至っていない。加えて、放射線や薬剤への耐久性等、実際に利用した際に発生しうる懸念点があり、最適化や課題点を検証しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究による新規シンチレータにおいて、実用化まで解決すべき課題点は多々あるものの、関心のある企業による検証試験も始まっているところである。多数の新規シンチレータを発見した中で、合成が比較的容易で多量に製造可能な物質を用いて、検証実験を行っているところである。
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今後の研究の推進方策 |
重要な課題点は、シンチレータとしての最適化である。具体的には、溶媒と溶質の比率、添加材等により、シンチレータ能を最大化させる必要がある。さらには、水溶性、非水溶性など測定サンプルにより最適値が変わってくるため、様々なケースに合わせて最適化が必要となってくる。これまで開発してきたハイスループットでの新規シンチレータの探索手法を基に、ハイスループットによる最適化の探索手法の構築を目指す。
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