研究課題/領域番号 |
20K06343
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41050:環境農学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
杉本 学 岡山大学, 資源植物科学研究所, 准教授 (20216336)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 遠赤色光 / 極早生 / 花成促進遺伝子 / ファイトクロム / 花成制御遺伝子 / 大麦 |
研究開始時の研究の概要 |
大麦は赤色光連続照射で早生化するが、申請者は蛍光灯+遠赤色光補光連続照射が大麦を極早生化することを見出した。遠赤色光補光連続照射では花成促進遺伝子FT1発現ピークが赤色光補光より早く出現し、極早生化の原因であることが示唆された。しかし、栄養成長期にFT1発現抑制に関与するファイトクロム遺伝子が赤色光と遠赤色光補光照射で共に発現抑制されていたことから、通常の花成制御関連遺伝子の発現が撹乱されたと推測できる。本研究では、赤色光や遠赤色光補光連続照射により起こる大麦FT1発現制御機構を明らかにし早生化や極早生化が起こる分子メカニズムを明らかにする。
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研究成果の概要 |
蛍光灯+赤色光連続照射で早生化する大麦では花成促進遺伝子FT1発現ピークより早く発現ピークとなる花成制御連遺伝子はVRN1、蛍光灯+赤色光+遠赤色光連続照射で極早生化する大麦ではPpdH1が最も発現量が多いことから、Ppd-H1が極早生化に関与する可能性を得た。PpdH1プロモーター領域をGUS遺伝子上流に融合した遺伝子を導入したシロイヌナズナ形質転換体は蛍光灯+赤色光連続照射や蛍光灯+赤色光+遠赤色光連続照射でGUS発現誘導が起こらず、遠赤色光により誘導されるアクチベーター等の因子がPpdH1を活性化し花成形成を促進する可能性のあることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大麦を発芽後から赤色光や遠赤色光を連続照射により花成制御遺伝子の発現パターンが異なることを明らかにした成果は、光環境と遺伝子のコントロールにより計画的に作物の収穫時期を調整するための情報を提供するものである。また、人工光環境の使用で大麦栽培が通常1年に2回行えるところが4-5回行えることになるため、交配による品種改良に必要な時間の大幅な短縮や食料増産に貢献できる。
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