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廃梅種子炭の有効利活用とその植物成長促進機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K06354
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分41050:環境農学関連
研究機関和歌山工業高等専門学校

研究代表者

岸本 昇  和歌山工業高等専門学校, 生物応用化学科, 教授 (50280433)

研究分担者 米光 裕  和歌山工業高等専門学校, 生物応用化学科, 教授 (20290778)
楠部 真崇  和歌山工業高等専門学校, 生物応用化学科, 教授 (40403761)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
キーワード梅種子 / 炭 / 植物成長促進 / 農業廃棄物 / 有効利用 / Ume seeds / Charcoal / Plant growth promotion / Agricultural waste / Effective utilization
研究開始時の研究の概要

和歌山県では、梅干加工工場、農家から排出される大量の廃梅種子など農産物廃棄物の処分に苦慮している。一方、それらは有用な有機資源としての一面もあり、その有効利活用が切望されている。有効利活用を目指し、梅廃種子から梅種子炭が作製されている。予備実験において、その梅種子炭を用いて植物の水耕栽培を行った場合、少なくとも植物の根の成長促進作用があることが分かった。しかしながら、梅種子炭になぜ植物の成長促進作用があるのかは明らかとなっていない。
本研究では、梅種子の有効利活用を目指し、梅種子炭に関する特性を調査し、植物成長促進機構を解明する。また、梅種子炭を用いた効率的な栽培システム構築の検討を行う。

研究実績の概要

廃梅種子を有効利用する方策の一つとして、これを炭化した廃梅種子炭を調製し、有用な資材として活用することが模索されている。梅種子炭の諸特性を明らかにし、梅種子炭の植物成長促進作用の機構を明らかにすることを本研究の目的とした。
廃種子炭の植物成長促進・抑制効果を調べるために、コマツナをモデル植物として培地を用いて試験管中で成長試験を行った。発根抑制効果を持つベンジルアデニン(BA)を添加した場合、廃種子炭を含まない系では発根抑制効果が得られたが、廃梅種子炭を含む培地では、発根抑制効果が低下した。廃梅種子炭におけるBAの吸着実験を行った。水溶液中のBA濃度を一定とし、所定量の廃梅種子炭粉末をサンプル瓶中に精秤採取し、BA水溶液と廃梅種子炭を所定温度で接触させた。水溶液中のBA濃度の経時変化を測定した結果、BA濃度は時間経過と共に減少した。梅種子炭への吸着量の経時変化は擬二次速度モデルにより相関できた。廃梅種子炭におけるBAの吸着平衡関係を測定した結果、BAの吸着等温線はLangmuir式で相関できた。廃梅種子炭は、植物成長に関わる因子を吸着することで植物成長・阻害作用に影響を与えることが示唆された。
アリルイソチオシアネート(AITC)が植物成長阻害因子の1つである。カラシナをモデル植物として培地を用いた16℃および25℃で成長試験を試験管中で行った。葉あるいは根の所定量を所定量のクロロホルムでチューブ内にて金属クラッシャーで粉砕し抽出液を得た。遠心分離により抽出液を濾過し、濾過液をガスクロマトグラフィ―により、AITC含有濃度を測定した。カラシナの葉および根に含まれるアリルイソチオシアネートを測定した結果、25℃で成長させた葉には約0.07mg/mLのAITC含有が認められ、16℃では0.03mg/mLのAITCが検出された。根からはAITCを検出できなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

コマツナを用いた予備実験では、廃梅種子炭の存在が種子から発芽・発根した直後の成長に好影響を与えることが示唆されたため、当初計画では、ワサビ種子からの発芽・発根させ、廃梅種子炭がワサビの成長速度に及ぼす影響を定量的に測定する予定であった。しかしながら、かつてワサビ種子を生産していた専門業者が種子の生産を中止し、種子供給がかなわなかった。他のワサビ生産業者にもあたったが、ワサビ種子の生産を行っておらず、種子が入手できなかった。地元協力農家に依頼し、ワサビ種子の採取を企図したが、十分な量の種子を得ることができず、実験を行うことができなかった。
昨年度に引き続き、校内研究室に水耕栽培システムを導入してワサビを育成し、種子の自家採取を試みているが、ワサビ種子が十分成熟せず、研究に必要なワサビ種子が入手できていない状況となっている。
以上の理由により、ワサビ種子による廃梅種子炭の成長促進効果を測定することができておらず、進捗状況は遅れている。

今後の研究の推進方策

ワサビ種子の自家取得を目指して、枯死を免れたワサビを継続して育成しており、ワサビ苗の育成を続けている。可能な限りワサビ種子の生産・取得を試みる。
ワサビ種子の入手ができない可能性も考慮に入れ、種子生産・取得と並行して、ワサビと同じアブラナ科の植物で、ワサビのように辛み成分を有すると考えられるカラシ菜をモデル植物として代替研究を行う。廃梅種子炭の植物成長促進・抑制効果を調べるために、廃梅種子炭が植物の成長・阻害因子に及ぼす影響を実験的に調べ、廃梅種子炭による植物の成長促進機構を検討する。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 廃梅種子由来炭の植物成長に及ぼす効果に関する研究2022

    • 著者名/発表者名
      稲垣 千容, 米光 裕, 花田 雅司, 岸本 昇
    • 学会等名
      第24回化学工学会学生発表会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 植物の必須栄養素供給源としての廃梅種子炭の物性測定2021

    • 著者名/発表者名
      津村祐希,西岡里紗,米光 裕,岸本 昇
    • 学会等名
      第23回化学工学会学生発表会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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